「母はこちらが誠意を見せてあげないと怒りをひっこめられないんです」
――毎日謝罪となると、相当ストレスなのでは?
碓氷 でもそれが一番早いんですよね。それに、母はこちらが誠意を見せてあげないと怒りをひっこめられないんです。一番欲しい言葉を投げてあげて「謝ってますよ、申し訳ないですよ」と態度で示す。
例えば高校受験の直前に「お前は第一志望校なんて無理だ! 下げろ!」と言ってきたことがありました。明らかに嘘ですよ。母は私に第一志望の県内トップ校へ行ってほしいと思っている。
でも怒りすぎて何を言っているのか自分でもわかってないんでしょうね。だから、合わせて「すみません、受けさせてください」と謝り続けるしかない。すると、ある瞬間からけろっと「あなたは当然県内トップの○○高校よね」に戻るんです。
――どちらが大人かわかりませんね。高校生になってからは毎日12時間勉強させられていたそうですが、どういう1日なんでしょう。
碓氷 まず、朝は5時15分に起床します。これは絶対です。
――早すぎませんか?
碓氷 5時に起きるのは朝勉強の時間を取るためでした。母は起きてくるときもあれば、まだ寝てる時もあるんですけど、起きた時に勉強していないと怒られるのでリスクを考えると早起きせざるを得ませんでした。6時40分頃までが勉強時間でした。
――朝から1時間半。
碓氷 このあたりで、リビングの母に挨拶しに行きます。つぎに新聞をポストまで取りに行くんですけど、これが朝の楽しみでした。
――新聞を取りに行くのが楽しみ?
碓氷 新聞を取りに行って読みながら帰る5分間だけは、母の監視から逃れられるんです(笑)。だから、朝の息継ぎのような感覚でした。それで帰ってきたら、6時45分から7時までが朝食です。でも食事の時間は毎日の試練で、本当に気が抜けませんでした。
――朝食も何か管理が?
碓氷 時間に対して量が多すぎるんです。母は料理にこだわりがあって、15分しかないのに毎日おかずが3品と米と汁、おまけにデザートまでついてくる。苦しいぐらい頬張ってがっつかないと間に合わない。