バイトをしながら、俳優業に向いているのか自問自答していた

――その気持ちは、ご自身の負けず嫌いな性格から来ているものもあるのでしょうか?

森崎 いや、それだけじゃ上手くいかないのがこの業界ですし、当時はまだ表現をする意味を何も持たずにやっていたんですね。バイトをしながら、自分はこの仕事に向いているのか自問自答をする時期もありました。

 そもそも、プロとしてのあり方を知らずに、自分の持っているものだけで、オーディションで勝負しようとしていたんです。何かを獲得して、そこから自分の表現の幅を広げようという考えがなかった。何をすればいいのかが分かっていなかった、と言った方が正しいかもしれないですね。

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 とにかくバイトをして、人としての生活を営むのに精一杯な中で受けたオーディションで受かれば、「映画の仕事が決まったので、1ヶ月バイト休みます」みたいな日々を送っていました。

©深野未季/文藝春秋

――ちなみに、どんなバイトをされていたんですか?

森崎 いろんなバイトをしていました。歌舞伎の公演などの誘導係をしたり、引っ越しの仕事や、晴海埠頭で誰かが捨てたガムの跡を取ったりもしていました。最終的には、父親の知り合いの焼肉屋さんで長くバイトしていましたね。そのお店の店長さんがすごく僕の仕事に理解があって、急に俳優業の関係で休んでも「しょうがないからいいよ」と言ってくれて。周りの人に助けられて、どうにかやっていましたね。

 そんな中で、たまたま『レディ・プレイヤー1』のオーディションを受けることになったんです。

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