「このままでは日本は海外の犯罪組織の格好の“狩り場”のまま」

 まるで観光中に思い立って事件を起こしたような説明だが、ある捜査幹部は「デタラメ混じり」と指摘する。

「どちらもチリ国籍で、8月21日にシドニーから来日したばかり。浅草の民泊施設に泊まり、事件2日前には店の下見や逃走ルートの確認までしている。盗みのために来日したのは明らかだ。容疑者の1人は、欧州のある国でも窃盗事件に関与した疑いがあり、おそらく国際窃盗グループの“駒”のような存在だろう」

1966年開業の中野ブロードウェイ ©時事通信社

 サブカルの聖地として知られた中野ブロードウェイは、今や修理や買い取りも含め、腕時計を扱う20店以上が集まる“腕時計の聖地”だ。ただ、多くの店が3階にあるのに対し、被害に遭ったのは1階の店。犯行時、店内には従業員5人がいたが、入り口で警戒する警備員はいなかった。

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「1階は客を呼び込みやすいが、強盗や泥棒に狙われやすい。ブロードウェイを巡回する警備員はいても、自店の警備を任せられる存在ではない」(施設関係者)

 ある捜査員は「容疑者の供述通り、日本の店の警備は緩い」と言う。

「腕時計だけでなく、貴金属・宝飾品店も総じて警備は甘い。保険をかけていても、このままでは日本は海外の犯罪組織の格好の“狩り場”のままでしょう」

 今回盗まれた時計は1本3000万〜7000万円。投資の対象と化した高級腕時計は、狙われ続ける危険を孕む。

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