「もう悪いことはしないでちゃんと働こう」と考えたのに、また悪さをしてしまった理由

――約半年間の少年院生活を過ごしたら、さすがに更生を考えましたか?

斎藤 僕らの頃の少年院って厳しくて、他の子と世間話しちゃいけないんですよ。出てから連絡を取り合ったりしないように、交流関係を断ち切る。「君どっから来たの」なんて聞いただけで、もう懲罰なんで。

 あと、ひたすら運動させられるんですよ。さすがにキツくて懲りましたね。でも、住めば都で慣れちゃったところもあったんですけど、やっぱり厳しいところには二度と行きたくないと思いましたよ。

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 そこから考え直して、もう悪いことはしないでちゃんと働こうと。たしか、大工か土木作業員をやったのかな。だけど、鳥も人間もカゴからパッと出されちゃうと、また自由になっちゃうもんなんですよね。

――車上荒らしで大金を稼いでいたことを考えると、当時はコツコツやってられないところもあった?

斎藤 コツコツやってみたかったですね。やってみたかったけど、やれなかったのは、すぐに手に入る感覚を覚えちゃってたから。コツコツやろうとする前に、頭の中でそっちを取っちゃったんですね。それで違う悪さをしようと考えてしまったんです。

――どんな悪さを。

斎藤 ネズミ講ですね。よく、健康食品を売るやつがあるじゃないですか。あれと同じです。ああいうことを僕も思いついて、儲かるなと。

 そんなふうな健康食品の会社をやっていた社長がいて、その方にノウハウを教えてもらって。それで健康食品を売って稼ぐなかで、A先輩という僕にとって最初で最後の兄貴分と出会ったんです。

 

先輩から「うちの親分、すげえだろう」と…ヤクザになった経緯

――どんな出会い方をしたのですか。

斎藤 仲間と飲んでいて、次の店に行こうって歩いてたら地元の暴走族をボコボコにしてる人がいたんです。それがA先輩。名前だけは聞いたことがあったんですけど、元ボクサーだったから何十人もボコってました。それを見て「かっけえな」って。

 で、殴られた暴走族が単車を置いたまま逃げたんですよ。A先輩から「単車、お前らで運んどいて」って言われて、僕はその中にあったホンダのCBXをかっぱらったんです。

 そうしたらA先輩が「あのCBX持っていった奴、電話よこすように」と仲間に言っていたみたいで、電話をかけたんです。

――電話を。

斎藤 で、なんだかわかんないけど、ちょくちょく家に来るようになったんですよ、A先輩が。「なんなんだろ?」と不思議がってたら、いつの間にか東京にあるヤクザの事務所に連れて行かれて。

 その時に初めてヤクザを見たんです。「ああ、これがヤクザの親分なのか」って。その組長がパッと財布を開いたら、札束がたくさんあって。「飯でも食ってこい」って10万円をポンッて渡されて。A先輩から「うちの親分、すげえだろう」と言われて、「ヤクザ、かっこいいな」と思ってヤクザになっちゃったんです。