――トップアスリートのセカンドキャリアとして、たとえば選手を指導する立場になる、あるいは所属チームの会社に社員として残るなどの道もあったと思います。
茜羽 そのとおりです。事実、多くの引退した選手たちがそうした道を選びます。あるいは、国際大会への出場経験が豊富である場合には、現役選手たちの通訳などの仕事に就くこともあります。母からは「語学学校に通って中国語を身につけて、通訳などの堅実な仕事に就いてほしい」と言われていたし、そんな道もあったかもしれません。
――その道を選ばなかったのは、先ほど伺ったご自身の「予感」がすべてですか。
茜羽 うーん、なんでしょう。自分自身のこれまでを振り返ると、7歳で始めて、小・中・高とずっとバドミントンコートのなかで闘ってきました。ただ、本当の私は、あまり勝負事が好きではないと感じる場面も多々ありました。たとえば小学生のときは、負かした相手が泣き崩れてしまって、悪いことをしたわけではないのにバツが悪いと思ったことがありました。負けて泣く相手に感情移入してしまうんです。
年齢が進むにつれて練習が厳しくなり、そんなことに思いを馳せる余裕もなくなりましたし、「むしろ、私が負けたほうが、ここまで熱量を注いでくれた母やコーチが可哀想だ」と心を鬼にして相手を打ち負かしてきました。ある意味では、私は母、コーチ、そして日本代表のときは国のために、勝負をしてきて……。
――心の奥底では、バドミントンが好きにはなれなかった。
茜羽 複雑な思いがあって、一言で言い表せません。バドミントンのおかげで変われたし、母にも本当に感謝しています。けれども、バドミントンそのものを純粋に好きだったかと言えば、好きではなかったかもしれません。それがバドミントン以外の道を選んだ一つの理由かもしれません。
「現役時代と顔が違う」…ネット上で囁かれる整形疑惑
――ライバー転身後、そのプロポーションが注目を集めました。ネット上では「現役時代と顔が違う」などと言われ、整形疑惑もありますが。
茜羽 現役時代の私を知ってくれていることは嬉しく思います。ただ、整形疑惑についてはまったくの事実無根と言うか……。
現役時代、先ほどお話ししたとおり、私が“鎧”に身を包むことで、何とか残酷でシビアな勝負の世界を生き抜いてきました。「いかにイカつく見られるか」だけが課題であり、歩き方も到底女子とは思えないような大股で、頭にも剃り込みを入れていました。
当然、体重は現在より15キロも多く、それでいて体脂肪率は10%ほどしかありませんでした。現在は20%台で調整しており、身体は女性らしいしなやかさを取り戻せたと思っています。
このように、何もかも変わるので、人相や顔貌が変わるのは当然としか言いようがありません。
