「前期今村翔吾の最後であり、後期の最初」

――『海を破る者』は、今村さんご自身にとってどんな位置づけの作品ですか。

今村 前期今村翔吾の最後であり、後期の最初の作品かなという感じがしています。

 踊り場と言えば踊り場かもしれない。

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 直木賞をいただいた『塞王の楯』と連なるようなテーマをずっと書いてきた、そのある意味最後の作品が『海を破る者』だと思っていて。

 若造今村翔吾として考えてきた「人とは何なのか、戦うとは何なのか」への答えであり、もう一回考えていくスタートの作品にしたいという思いがありました。

 

今村翔吾を初めて読むなら「ここから」

――最後に、本作をどんな読者に手に取ってほしいですか。

今村 今村翔吾の本をどれから読んでいいか分からないという方は、ここから入ってもらえると良いかな、と思っています。

 西域からの少女や高麗の青年が登場することで突拍子もないと感じる方もいるかもしれないけれど、これは全部事実に基づいている。

 日本人も意外と海外に出ていたし、本当にこういうことが起こったかもしれないという限界値を、人を描いた作品として書きました。

 歴史が好きな方にも、歴史が苦手な方にも、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

※本記事は「文藝春秋PLUS」で配信した今村翔吾さんのインタビューを、文庫刊行にあわせて再構成したものです。

海を破る者 (文春文庫)

今村 翔吾

文藝春秋

2026年7月7日 発売

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