福岡県議会をめぐる問題は、皆さんもご存じだろう。「福岡県議会のドン」はすっかり有名になり、調査報道を続けてきた西日本新聞は新聞協会賞に選ばれた。

「福岡県議会のドン」藏内勇夫氏 ©時事通信社

 では、いったい何が報じられてきたのか。昨年12月からの記事、約270本を全部読んでみた。今回はそこで見つけた名言&迷言とキーワードから振り返ってみたい。

「そもそも海外視察にいくら使っているの?」

 すべての始まりは2025年12月。西日本新聞が情報公開請求で入手した、県議の海外視察をめぐる資料だった。

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 当時、委託費100万円以下などなら競争入札をせず「随意契約」ができた。ところが15件の契約の多くが100万円ギリギリで、その後すべて増額。なかには約100万円が1025万円、10倍以上になったケースもあった。

 なぜ、最初は上限ギリギリなのに、あとからこんなに増えるのか。記者の「小さな違和感」がすべての始まりだった。取材は「そもそも海外視察にいくら使っているの?」へと広がる。15件で計1億4489万円。ホテルは1人1泊最高17万4000円、航空券は往復最高212万円。

 そこで飛び出した最初の「迷言」が、

「メンツもある。それなりのグレードになるのは当然だ」(2025年12月27日付)

 高額なホテルについて聞かれたベテラン県議の言葉である。県議の「メンツ」って、こんなに税金が必要なのか。※以下、カッコ内の日付は西日本新聞の掲載日。

 今年3月、問題は海外視察だけではなくなった。

 県職員の親睦会「部課長会」が、給与から天引きした会費で、県議会議長・副議長らの政治資金パーティー券を買っていたことがわかった。2020~25年度で、少なくとも1882万円。

 県議会は本来、県庁をチェックする側である。ところが、チェックされる側の県職員のお金が、議員側に流れていた。職員からは「まるで議員の金づる」との声も(3月25日付)。県の内部調査が背景に挙げたのは「議会への忖度と慣例」だった(6月1日付)。