「賠償金を使えない」遺族が抱える“罪悪感”

 そもそも加害者が任意保険に加入しておらず、遺族が賠償金を受け取ることができないケースも多数ある。仮に賠償金を受け取っても、死んだ家族は戻ってこないという現実に遺族は苦しむ。

 賠償金が家族の命の値段だと思ってしまい、罪悪感で使うに使えないという苦悩を抱える遺族もいる。

 松永の講演の謝礼絡みの中傷についても事実を記しておく。

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 松永が講演会で得た謝礼は自分の懐には入らず、すべて「あいの会」による被害者支援のための活動資金となる。講演を引き受けると、まず勤務先と休日の調整をしなければならない。

 また、主催者との連絡に追われ、テーマや聴衆の属性に応じて資料をリライトする必要がある。開催地が遠方であれば、前日に移動し、当日は過去のつらい記憶を話して精神をすり減らすことになる。

 侮辱罪は二〇二二年七月に厳罰化されたものの、誹謗中傷被害が止むことはない。SNSの誹謗中傷は、人を死に追いやる。

 兵庫県知事選をめぐる一連の問題では、二〇二五年に竹内英明元兵庫県議会議員が自ら命を絶った。二〇二〇年には女子プロレスラー、木村花さんが自殺した。花さんの母親である響子さんとともに松永は再発防止活動を行っている。

 SNS規制の問題と常に衝突すると考えられているのは、「表現の自由」の問題だ。

 二〇二五年一一月、法務省の侮辱罪に関する検討会で、木村響子さんはこう訴えた。