家庭と仕事のバランスに苦悩
ただ、彼にどれだけ理解があっても、結婚すると家庭に対しても責任を感じてしまい、仕事とのバランスに悩んだという。
《両立は……できないんですよ。どちらかが絶対におろそかになってしまう。『一生ついてきてください』とファンの方に言ったのは自分なのに、その私が仕事をセーブしているような状況は自責の念に堪えなかった》と振り返る(写真集『37 20th anniversary Keiko Kitagawa』SDP、2023年)。
他方で、30代初めには、ネット社会の闇やSNSの怖さなどをテーマにした作品にあいついで出演した影響もあり、伝えることの難しさに打ちのめされて、何も話したくないと心を閉ざしてしまった時期があったという。
しかし、しばらくしてコロナ禍に入ると、外で人と会って話をする機会がなくなり、しだいにもっと人と会いたいという欲がふつふつと湧き起こる。それと同時に、自分の仕事は、受け取ってくれる人がいるからこそ成り立っているのだと、そのありがたみに気づかされたという。
34歳、コロナ禍での長女出産
第一子となる長女を出産したのは34歳となった2020年と、ちょうどコロナ禍のさなかだった。結婚会見では「いずれは子供がほしい」と語っていたものの、その時点ですでに30歳、31歳の仕事は決まっており、周囲に迷惑をかけるような形で子供を授かりたいとは夫婦ともに考えていなかった。
その後、2019年11月に主演映画『ファーストラヴ』(公開は2021年)の撮影が終わったときが妊娠しても大丈夫なタイミングだと判断し、幸運にも子供を授かった。
出産後は、子供がなかなか寝てくれなかったり、つくった食事を引っくり返されて、つくり直すはめになったりと、もちろん大変なこともたくさんあった。それでも次のように語っているのは、俳優としてさまざまな経験を積んできた彼女ならではと思わせる。

