30代に入ってからの“仕事の変化”
結婚して30代に入ってからは、役の幅がどんどん広がった。若い頃は、紅一点としてそこにいてくれればいいというような見た目優先の役も多くて、もどかしさを感じていたという。それが30歳をすぎてからは、真剣に仕事と向き合う役や、社会的なメッセージ性のある役をオファーされるようになり、やりがいを覚える。
30代も後半になると、年齢的に母親役や職場の上司役も少しずつ増えていった。母親を演じるにしても役柄はさまざまで、昨年(2025年)にはドラマ『あなたを奪ったその日から』(フジテレビ系)で子供を事故で亡くして復讐心を抱く母親を演じたかと思えば、映画『ナイトフラワー』では、2人の子供を抱えながらも生活苦からドラッグの売人へと追い込まれるシングルマザーを演じた。
『ナイトフラワー』での北川のセリフはすべて関西弁だったが、さすがは兵庫出身だけに自然で、子供とのやりとりも「ママ」や「お母さん」ではなく「おかん」と呼びたくなる雰囲気を醸し出していた。おかげで、主人公たちは終始つらい境遇に置かれながらも救いを感じさせた。
このように本作でも挑戦する姿勢を貫き、俳優として新たな一面をうかがわせる。これについて本人は公開時のインタビューで、《俳優という仕事は、時代や年齢に合わせて変化していかなければ淘汰されます。驚かれるような役に挑むことこそが醍醐味であり、生きている実感につながる。今は、新しいことに出合えることが、ただ純粋にうれしいんです》と語っていた(「クロワッサンONLINE」2025年11月26日配信)。
あいかわらず仕事への闘志は変わらないが、一方で、家では仕事の話はしないよう心がけているという。また、娘の幼稚園への入園準備で色々なものをミシンでつくったのをきっかけに、いまでは手芸がささやかな趣味になっているようだ。そんな話を知ると、彼女が夢中になれるのは仕事ばかりではないのだと何だかホッとさせられる。
40歳の誕生日を迎えたこの8月には、『NHK 夏の音楽祭 うたであえたら 2026』の司会者として夫のDAIGOとも久々に共演したのに続き、『24時間テレビ 愛は地球を救う』のなかで放送された実録ドラマ『幸せはある』で、ミュージシャンのつんく♂のがん闘病を支えた妻の役を好演したことが記憶に新しい。
節目に出演したいずれの番組も、夫婦や家族の絆を感じさせるものだったことは、何やら40代の彼女の行く道を暗示するようだ。
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