高校生時代に行われた朝日中学生新聞の「蒼井優と映画を語ろう」という企画では、相米慎二監督『風花』、新藤兼人監督『三文役者』、中原俊監督『12人の優しい日本人』などについて語りまくり、『ハリー・ポッター』好きの中学生記者たちを当惑させている。
後に、影響を受けた作品として小栗康平監督の『死の棘』を挙げている。松坂慶子と岸部一徳の演技について「どうしたらあんなお芝居が生まれるんだろう」と驚きを語っており、「お芝居ってそれくらい自分の想像を絶するものでいいんだ、あれくらい自由でいいんだ」と勇気をもらっているという(otocoto 2020年1月30日)。
俳優を辞めて福岡に戻ろうとしたが…
映画のことが大好きになっていた。しかし、大学受験を機に、俳優を辞めて福岡に戻ろうと考えていた。そんな蒼井が初めて「役者をやろう」と思ったきっかけがある。岩井俊二監督の『花とアリス』(04年)に出演したことと、同作を携えて出席した釜山国際映画祭だ。
「レッドカーペットを初めて歩いたときに、岩井俊二監督と歩かせていただいたんですけど。岩井監督は韓国ですごい人気なので、すごい大盛り上がりして。私はここに映画が好きな人しかいないんだと思ったら感動して」(『だれかtoなかい』同前)
ホテルの部屋へ戻った蒼井は、うれしくてずっと飛び跳ねていたという。それまで好きになってはいけないと思っていた映画の世界の仕事を、初めて好きだと認めた瞬間だった。
その後、仕事は順調に続き、『男たちの大和/YAMATO』(05年)、『ハチミツとクローバー』(06年)などの話題作に立て続けに出演した。
そして蒼井は代表作となる『フラガール』(06年)と出会う。しかし、その『フラガール』が蒼井を追い詰めていく。(続く)
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