まさかの『THE W』に参加してネタを披露

――AKB48で活動する中で、「まさか自分が挑戦するとは思っていなかった仕事」はプロレスの他にもありましたか。

真楪伶 『女芸人No.1決定戦 THE W』のオーディションに参加し、お笑いに挑戦したことも忘れられません。

 今振り返ると、日本のお笑いの世界なんて何も分かっていなかったんです。それでも、やっぱり「せっかくのチャンス」だと思って、一人で飛び込みました。

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 その時は『AKBINGO!』の密着取材も入っていて、スタッフさんからアドバイスをいただきながら、一生懸命ネタを考えました。実は最近、家の断捨離をしていたら、その頃のネタ帳が出てきたんです。「懐かしいな」と思いながら読み返していました(笑)。

©︎石川啓次/文藝春秋

――当時、どのようなネタを披露されていたのでしょうか。

真楪伶 2017年と2018年の2年連続で挑戦したんですが、「都道府県あるある」をテーマにしたネタを披露しました。

 緊張しすぎて当日のことはあまり覚えていないんですが、お客さんには結構笑っていただけた記憶があります。

 当時は、日本へ来たばかりで、言葉も文化も十分に分からない中でしたが、「できません」と言ってチャンスを逃したくなかったんです。

――「アイドルを辞めて台湾へ帰ろう」と考えたことはありましたか。

真楪伶 それは一度もありませんでした。AKB48は、中学生の頃からずっと憧れていた場所ですし、親の反対を押し切って日本へ来ました。

 さらに約2000人の応募者の中から選んでいただいたので、「簡単に諦める」という選択肢は最初からなかったですね。

©︎石川啓次/文藝春秋

――AKB48初の海外メンバーとして注目される一方で、「外国人だから」ではなく、一人のメンバーとして見てほしいと思うこともあったのではないでしょうか。

真楪伶 その気持ちは、ずっとありました。

 今でもSNSで「AKBの時から応援しています」とコメントをいただくことがありますし、選んでもらったことは本当に感謝しています。

 でも私は、「外国人だからという理由で応援してほしい」と思ったことは一度もありません。もちろん、その立場だからこそ注目していただけた部分もあります。

 だからこそ、その先に「真楪伶だから応援したい」と思っていただけるような強みを作らなければいけないと、ずっと考えていました。

「外国人」という肩書だけではなく、一人の人間として、一人のタレントとして見てもらえる存在になりたい。その思いは、AKB48時代から今も変わっていません。