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「仕事をまともにしない人間が多かった」
事件現場近くの居酒屋に入った。店には若い二人組がビールを飲んでいた。カウンターに座り、焼き鳥をつまみながら、二〇数年前のこの界隈の様子について尋ねた。
「ここから五〇メートルも離れない場所に飯場が五件もあってね。ヤマから人が来ていたよ。都営住宅が出来て、仕事をまともにしない人間が多かった。子どもたちにも良くない環境だったよ。北綾瀬駅が出来てから、飯場が無くなって、前よりは環境が良くなったけどね」
二人組が帰った後、居酒屋の主人に事件のことについて尋ねた。焼き鳥を買いに来た加害者かその仲間たちのことを思い出してくれた。
「いつも若いのが二人組で塩の焼き鳥を買いに来たよ。手にタバコを押し付けられた痕がついててね。塩を買うってのは、酒飲みの証拠だよ。買う数はいつも四、五本だけどね」
手にタバコを押しつけられた痕があったというからには、主犯格の少年に使い走りをさせられていた少年だったのかもしれない。
