今でも忘れない、ちょっと意外な「推しキャラ」とは?
――演じてきたキャラクターの中で、好きなものの1つに『Fate/Zero』のライダーを挙げていらっしゃるのは、少し意外でした。
大塚 『Fate/Zero』はアニメに先行してドラマCDを作ったんです。その時に「事前に読んでおいてください」と言われて、分厚い4冊の原作小説が送られてきて。「ええっ!? ドラマCDを録るのに、これを読まなきゃいけないの!?」と思ったんだけど、でも読み始めたらね、面白くて。
読んでいるうちに「このライダーって役はいいな」と思って。鬱展開の話の中で、ライダーが登場する時だけは“風”が吹くんですよ。「これはおいしい」と思ってました(笑)。
――大塚さんが演じるキャラクターは、ブラック・ジャックにバトー、スネークもそうですけれど、心に陰の部分がある人物が多いです。一方で、ライダーにはその陰がない……というか、見せないキャラクターです。
大塚 ライダーはやっていて痛快なんですよ。何て言うんだろう。ハーレーのような太いトルクで、ダカダカダカッと進んでいく感じで。滅多にないんですよ、あの感覚は。これは面白いなと思って。
――ライダーは豪快ですが、考えなしの猪突猛進でもありません。
大塚 そこがまた良くてね。『Fate/Zero』に「聖杯問答」という回があるんですけど。
――セイバー、アーチャー、ライダーが酒を囲んで、王としての在り方について話す回ですね。
大塚 あの時にライダーが理屈をとうとうと語るじゃないですか。その中でライダーが述べる論理というのが非常に明快で、聞いて「なるほど」と思うんです。あまり人には思いつかない発想でもあって。
そもそも、普通のアニメだとあんなシーンは珍しいです。3人がずっとしゃべっているだけなんだから(笑)。
それこそ「王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)」(※ライダーの宝具)が出てきたら、絵だけでも「すごい」となるけれど、聖杯問答はただしゃべっているだけなので。だから、見ている人を引っ張れるか、引っ張れないかは役者の技量次第と思って必死に演じました。
――収録前に、共演の方と「これは声優の見せ場だね」といった話をしていたんですか。
大塚 話していたかもしれません。僕は見せ場だなと思って燃えていましたけど、ほかの声優がどう思ってたかは知りません(笑)。ただ、あのシーンは演じていて面白かったです。(つづく)
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