深みのある低音ボイスで『ルパン三世』次元大介、『攻殻機動隊』バトーなど数々の人気キャラを演じてきた声優・大塚明夫さん。著書を出して話題を呼んでから10年超、特にこの5年で声優界には大きな変化が生まれているという。
さらに名優が語る好きな声優、期待の若手とは? 今後の声優に望むことまで、幅広く語ってくれた。
『声優魂』から11年 大塚明夫が感じている業界の変化とは?
――声優というお仕事についてもお聞きします。大塚さんが、声優という仕事に対する考えをまとめた著書『声優魂』を書かれてから11年がたちました。その間、声優という仕事に変化はあったでしょうか。
大塚明夫さん(以下、大塚) すごく変化はありました。なんだかんだで、役者を始めて40数年がたっていますけど、この10年、特にこの5年で、変化のスピードがどんどん速くなって驚いています。
あの本を書いた時、声優はその都度、仕事をし続けないと飯が食えないし、生き残るのが大変。なおかつ、当たればすごく儲かるのかといえば、全然そうではないし。だから、声優志望の人は本当に考えた方がいいよと思っていたんです。
ただ、10年前と今とでは状況が変わりました。僕たち声優は、作家だったりするわけじゃないので、自分から仕事を生み出せないと思っていましたが、最近はYouTubeが普及して、自分のアプローチ次第で仕事を生み出せる世の中になった。その動画を見て、企画が舞い込んだりするケースが頻発していますね。
昔は偉い人が上から「お前、いいな」とピックアップしていく形でしたが、今は逆に、大勢が下から神輿に担ぎ上げた人間が商売になる。しばらくは、そんな構図になるのかなという感じはします。
――声優の競争率は10年前より上がっていますか。
大塚 どうなんですかね。アプローチの仕方で条件が公平じゃなくなるんで、競争率では測れない部分が生まれてくるのかなって思ってます。頭の使いようでポンと抜ける人が、これからどんどん出てくるという感じはしますね。
