学業からはドロップアウトしてしまった次男だが、専門学校に通っているときから、ときどきアルバイトはできている。現在もお金が欲しくなると、数カ月単位でバイトをしているとのこと。ただ、どのバイトも1年は続かず、正社員登用を目指したこともない。

ドロップアウトした経緯

父親はメーカー勤務時代、仕事が忙しかったこともあって、子どもたちのことは妻任せ。長男が高校に行けなくなった当時は、妻からの相談に自分なりに対応してきたつもりだったが、具体的な行動には移してこなかった。そして、解決策が見つからないまま、時間だけが過ぎてしまったと振り返る。

妻は長男が高校生になった頃に、パートタイムの仕事を始めた。子どもたちの教育資金を少しでも自分の収入で補いたいと考えたからである。パートは午前9時から、13時ころまで。13時30分くらいには帰宅できるのだが、帰宅すると、長男が家にいる機会が増えた。

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「学校はどうしたの?」と尋ねると、「授業が早く終わったんだよ」と言い返されたりもしたが、実際には朝、家は出るものの学校には行かずに公園などで時間をつぶし、母親が出かけたあとに自宅に戻ってきたようだった。そんな状態がひと月くらい続いたのち、登校するふりすらしなくなってしまった。

このころから、葛西家には重苦しい雰囲気が漂うことになる。妻に促される形で、葛西さんも「学校に行けないなら、塾にでも行ったらどうか?」とか、「学校に行けない子どもたちが集まれる場所があるみたいだから、行ってみないか?」などと声掛けをしたりもした。だが、長男が反応することはなく、そのまま時間が経過してしまった。

それでも20歳を過ぎたころ、長男から高卒認定試験を受けたいという申し出があった。受けたくなったきっかけはわからないが、長男が意欲を見せたことを喜び、夫婦で応援をした。そして、無事に高卒認定試験には合格するのだが、「今さら大学に行ったとしても、同級生は何歳も下の子ばかりで、話なんか合わないよ」と言われ、大学受験は実現しなかった。