葛西家の現在の貯蓄は、父親が600万円、母親が800万円の合計1400万円である。葛西さんが退職した時点では、退職金を含めて2500万円ほど保有していたが、NPO法人を設立してからは、同法人運営への持ち出しなどもかさみ、家計が赤字になることが多い。気づけば世帯の貯蓄は1000万円以上も減っていた。

長男の買い物グセで家計悪化

葛西家の家計の最大の問題は、NPO法人への持ち出し以外にもう一つある。長男の買い物グセである。長男はほとんど外出しないが、ゲーム関連や趣味のものなどを通販で購入している。フィギュアなども集めているらしい。物品だけではなく、食べたいものも勝手に注文しているとのこと。

欲しいものを購入して、支払いは親のクレジットカード。代引きしかできない場合は、商品が届いたとき、親に代金を支払わせている。

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もちろん葛西さんも妻(母親)も、「そんなに買い物をされると、我が家は破産してしまう」と伝えているが、注意をされると長男は無言で立ち去ってしまう。長男の浪費は徐々にひどくなり、ここ数年は毎月8万~10万円にも及ぶという。

家計の費目をみると、貯金は1円もできていないことがわかった。長男のクレジットカードの支出がなければ、その分は、確実に老後資金の足しとして蓄えられただろう。

以下、ある日の葛西さんとのやりとりを整理してみよう。

【葛西さん】「カード払いの中には、代引きで払わされた代金も入っていますが、長男は欲しいものが我慢できず、どんどん注文をしてしまいます。会社員を辞めて、家計に余裕がないことを伝えても、聞く耳を持ってもらえずに困っている感じです」

【畠中】「怖がらせたくはありませんが、葛西家は、今のままだと老後破産しかねません。子どもを助ける前に、親の老後設計をきちんと立て直す必要がありますね。NPOが今後どうなるかわからず、収入が不透明で、老後の収入は夫婦ともに年金が中心になるでしょう。長男さんが支払いに使っているクレジットカードは解約してはいかがでしょうか。カードが使えなくなると、代引きで買い物をしてしまう可能性もありますが、それでも今までのように気軽には買い物できなくなるはずです」