鳥取連続不審死事件で逮捕された上田美由紀。巧みな「寝技」で男たちを魅了し多額の金を引っ張っていた彼女だが、逮捕後に送られた留置所での取り調べは凄絶を極めた。
過酷な調べの最中、彼女は持病用の注射針をこっそり持ち出し、己の腕に“あるもの”を刻み込んでいたのだった――。ノンフィクションライターの高木瑞穂氏の文庫新刊『殺め人』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目)
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「一緒に暮らそう」と男女の関係になって…
上田美由紀は2009年11月、詐欺容疑で逮捕された。逮捕前は、鳥取市内で豊満な女性が揃うスナックでホステスをしていた。
源氏名は「サトミ」。そこで知り合う孤独な男性に近づき、「一緒に暮らそう」などの殺し文句で男女の関係になった。上田美由紀は床上手で、男たちはみなトロけたという。
詐欺容疑での逮捕は、寝技でトリコにした男たちから多額の金銭を引っ張ったことだった。
保険金詐欺で私服を肥やした林真須美は、大きな敷地に建つ立派な日本家屋で暮らしていた。上田美由紀もさぞかし我が世の春を謳歌していたことだろう。そうかと思えば、鳥取市内の自宅は家賃2万5千円、12畳の1DK。黄と緑が混じったような色のうらぶれたプレハブ長屋だった。
上田美由紀はその後、知人だった男性2人に、借金などから免れるために睡眠導入剤を飲ませて水死させたとして強盗殺人罪容疑で再逮捕された。プレハブ長屋のなかは逮捕時、ゴミ屋敷のように荒れていた。
