2026年8月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。社会部門の第3位は――。
▼第1位 ホリエモンでも中田敦彦でもない…若者の4人に1人が見ている政治経済系YouTubeチャンネルの名前
▼第2位 高市政権にとって「日本人の生活」はどうでもいい…小野田紀美のSNS投稿でわかった「外国人政策」の本当の狙い
▼第3位 耳の後ろから流血、指の肉をごっそり食べられ…クマに「猪木キック」で応戦した36歳男性の"数十秒間の死闘"
2021年7月中旬、秘湯マニアの三浦靖雄さん(36歳)は、軽井沢の西側に位置する石尊山に登っているときに突如としてクマに遭遇した。全速力で突進してきたクマとの格闘はいかなるものだったのか。三浦さんの話を聞いたノンフィクションライターの羽根田治さんの著書『低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』(東洋経済新報社)より紹介する――。
※本稿は、羽根田治『低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。
最初は「あ、イノシシかな」と思った
時刻は午後2時過ぎごろ、場所は標高1180メートルあたりの平坦地、あと1キロほど歩けば人里に出るというところだった。突然、進行方向右手前方の薮のなかからガサガサという音が聞こえてきた。
それは獣が薮のなかを走っているような音だったので、「あ、イノシシかな」と思った。音がする10メートルほど先の薮のほうへ目を向けた次の瞬間、薮のなかからクマが姿を現した。
登山を始めて10年以上になるが、それが初めてのクマとの遭遇だった。クマの体躯は「そんなに大きくはないな」という印象だったが、飛び出してきたクマは間髪を容いれずに全速力でこちらに向かって突進してきた。
野湯探しを趣味としている以上、クマと遭遇するリスクが高いことは充分認識していた。このときも、万一に備えてクマよけスプレーをザックのヒップベルトの横にホルダーで装着していた。
