親は進路のことも特に言わなかった
こたけ 親は進路のことも特に言わないし、教育方針みたいなものもない。共働きで、二人ともずっと働いていたという感じです。家ではずっとテレビがついていて、兄弟もずっとテレビを見ていて、僕も割と見ていたんですけど、テストのときはかなり集中して追い込んで勉強するタイプでした。
――スポーツはやられていたんですか。
こたけ 小1のときに剣道を始めて、6年生までやってました。坂本龍馬のアニメ『お~い!竜馬』に影響を受けて。それと同時に5、6年生のときには野球もやって、中学から高校はバスケです。
――剣道はご両親に習いたいと言って?
こたけ はい。やらせてくれていましたね、そのまま。
――いいご両親ですね。
こたけ 友達に言われて気づいたことがあって。両親と僕と友達で電車に乗ったことがあったんですけど、そのとき両親が二人とも自分の持っている文庫本を読んでいたんですよ。それを友達に「めっちゃ珍しい」と言われて、これは普通じゃないんだ、と気づいた記憶がありますね。特に父親がすごく本を読む人で、その影響はあるかもしれないです。歴史の本とかよく読んでいました。貧乏でおもちゃはあまり買ってもらえなかったんですけど、本だけはいくらでも買ってくれる家でした。
――今こたけさんに本を書いてほしがる編集者多そうです。
こたけ たまにお話いただきますけど、まだ本らしい本は全然。書評の依頼が多いです。小説は好きで読むんですけど、読むからこそ、自分が書けるとは微塵も思わないので書かないと思いますね。
――「弁論」は構成がすごいので、小説もいけそうな気がしてしまうのですが。
こたけ もちろんエッセイのようなものであれば、ネタの延長で書けるかもしれないんですけど、小説は異次元すぎて手が出ないというか。お笑いも最初はそう思って目指さなかったんですよ。好きすぎて、天才がやっていることだと思っていたので。好きだけど目指さない、というのは、僕の中でずっとあるパターンなのかもしれないです。
M-1で漫才を分析するように
――お笑いへの興味はいつ頃から?
こたけ 小学校のときからお笑い番組を見始めて、中学ぐらいからがっつりハマっていきました。当時はbaseよしもとの芸人さんを主に見ていて、『吉本超合金』とか、陣内さんMCの『なるトモ!』っていう帯番組も見られるときは見ていました。最初はただ見て笑ってるだけだったんですけど、M-1を見るようになってからは、なんとなく漫才を分析するようになった気がします。とはいえ全然分かってはいなかったんですけど。
すごくお笑いに詳しい友達が一人いて、フットボールアワーさんがM-1で優勝したときに、「後藤さんのツッコミがめっちゃうまくなってた」とか言うんです。もうまったく意味が分からなくて、ツッコミがうまくなるってどういう状態なんだろう、みたいな。それがお笑いについて考えるようになったきっかけですね。
