――診断を受ける前、どこかで「これは女性化乳房かもしれない」と感じていたところは。
松本 ありましたね。それこそ去年の年末から年明けにかけて、筋トレをよく一緒にやっている仲間から胸について結構いじられていたんです。それもあって、自分でも「これはそうかも」みたいに自覚し始めました。
――どんなふうに言われたんですか。
松本 「お前、乳首出すぎだろ」「胸なんかおかしくないか?」って言われたりしました。
――そう言われたということは、せり出してきた感じなんですね。
松本 そうですね。横から見ると分かるんですけど、全体的に突出してきたとは思うんですけど、特に乳輪からグッと出てきたのかなと。
ドーピングを疑われたことが一番つらかった
――最初に気づいたときは、驚き、怖さ、不安など、いろんな感情が押し寄せてきそうですね。
松本 シンプルに恥ずかしかったですね。それまではなにも考えずにTシャツ1枚で生活していましたけど、乳首が目立つようになってしまったし。ジムに行っても、タンクトップになると目立ってしまうし。痛みに関してはそんなに不安にはならなかったんですけど、やっぱり服を着たときの浮き上がりが一番嫌でした。
――「お前、乳首出すぎだろ」と言われたのも、服の上からでも分かるくらいだったからなんですね。
松本 普通に服を着ていても、明らかに出ているので。それに、筋トレ業界って、女性化乳房がすごくグレーな扱いなんです。僕も競技者としてやっていますが、ボディビルとかフィジークの選手って、ドーピングの副作用で女性化乳房になることがあるんですよ。で、ドーピングが原因の女性化乳房とそうじゃない女性化乳房が一括りにされてしまっていて。
――ドーピングが原因で女性化乳房になる人は少なくない?
松本 すごく多いです。それを英語で「ガイノ(Gynecomastia)」って言うんですけど、フィットネス界隈の人たちは、その「ガイノ」という言葉で批判することがあって。
――では松本さんとしては、胸が出てきたこと自体もつらかったけれど、ガイノに括られてしまうのが、もっとつらかったわけですね。
松本 それが一番キツかったです。「ガイノじゃん」って言われるのが、すごくつらかった。
けれども、そうなっちゃうよなと。僕も仕方ないと思っています。筋トレをやっている人間が女性化乳房になったら、もうドーピングしかないと思う人が大多数なので。
しっかり否定すればするほど疑われるので、ぬるっと流す感じでしたね。

