アルコール依存症の父と認知症の祖母を一人で介護する「ヤングケアラー」となった小学生時代。学校では教員の心ない言葉に傷つき、空腹を満たすため万引きを繰り返すように――。
元極道として人生の再出発を果たし、現在は「薬物から子どもを守るNPO代表」になった佐藤智明氏の新刊『先生は、元極道 元極道講師が子どもたちのために歩む 人生「生き直し」物語』(彩図社)より、歪んだ日常と万引きに手を染めるに至った悲痛な記憶を一部抜粋して届ける。(全3回の2回目)
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ヤングケアラー
そのころになると、祖父は亡くなっており、家族は父、姉、兄、祖母と僕の5人になっていました。
姉は中学校を卒業すると、住み込みの仕事に就き、家から出て行きました。兄も就職して家から出ていったので、小学生だった僕はひとりで父と祖母の世話をすることになりました。
祖母はいまでいう認知症で、病名まではわかりませんが、視力をほとんど失っていました。
食事を作るのは僕の仕事でした。
祖母はご飯を食べさせても食べたことを忘れて「ご飯はまだかい?」などと言っています。父は僕が慣れない手つきで作っても、ご飯を食べず一日中お酒ばかり飲んでいました。
2人の世話のため、僕は学校を休みがちになりました。
