理解してくれない先生、酒に溺れる父親

 僕はその言葉を聞いて、突然、電気のスイッチが切れたように目の前が真っ暗になりました。先生は僕が毎日、どれだけの思いで祖母と父の世話をしているのか知っているのだろうか。どういうつもりで、クラスメイトの前で僕をからかったのだろうか。先生の考えがわからなくて、僕は学校がつくづく嫌になりました。

 家から出ようと思い、学校には行かず、公園で一夜を過ごしたこともありました。でも、僕には行くあても、相談できる人もいませんでした。僕のことを心配してくれる家族も、学校の先生も、僕にはいなかったのです。

 子どもだった僕は、それでも自分がしていること、いま自分がおかれている環境は当たり前のことだと思い込んでいました。祖母の世話もそうですし、父に「お酒を買ってこい」と言われれば、素直に従いました。

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 でも、お酒は確実に父をむしばんでいました。

 あるとき、父がいつものように僕を呼ぶので傍に行くと、部屋の誰もいない場所を指さして、「ご先祖様が来ているから、お前も挨拶しろ」などと言い出しました。別の日には、象の置物が動くから見てみろ、などと言っています。父はアルコール依存症でおかしくなってしまったのです。

 僕はすべてに嫌気がさし、学校にも行かなくなりました。