母との再会

 母が出ていって2年以上が経ちました。

 その間、母は一度も会いにくることはなかったのですが、僕は毎日のように母の夢を見ていました。

 夢の内容は毎回決まっています。

ADVERTISEMENT

 電車の繋ぎ目が切り離されて、母と僕がどんどん離され、姿が見えなくなる瞬間にいつも目が覚めるのです。起きると心臓がバクバクしていて、汗だらけでした。

 そんな日々が続いたある日、母から電話がありました。念願であった母との再会が決まったのです。

 駅前の喫茶店で会う約束をした日、僕は母の好きだった歌手の小林旭のカセットテープや僕が集めた宝物を持って行きました。

 待ちに待った母との再会は最高の時間でした。2人でハンバーグを食べて、幸せなときを過ごしました。

 それから母に会う機会が増えていきました。母にプレゼントしたい物が増えたため、僕は万引きを繰り返すようになりました。