e-Paletteは、TOYOTAが開発した次世代モビリティ。東京オリンピックの選手村内での移動などに使われ、現在ではお台場エリアでの公園内移動サービスなどでも活用されている。
低床設計・電動スロープを備えるなど先進的な特徴をいくつも備えるが、何よりの特徴は窓の大きさだ。文字通り四方八方、横も後方もほぼ全面が窓ガラスになっている。おかげで、秋吉台の絶景は涼しい車内からも充分に楽しめるし、サファリでは昼寝をするライオンやトラたちの表情まで手に取るように見ることができる。
12年前に廃止された貨物列車
今回、秋吉台やサファリを巡ったe-PaletteはJR西日本が保有し、美祢市に貸し出す形で導入されたものだ。実際の運行は、地元のバス事業者である船木鉄道が担当する。今年10月から年末までの土日祝日、美祢市の中心市街地を拠点に秋吉台をはじめ、別府弁天池や大嶺酒造といった知る人ぞ知る観光スポットを巡るツアーを実施する。
e-Paletteは、着席定員わずか7名という小さな車両だ。だからツアーの最少催行人数はなんと1名という、だいぶミニマムなものだ。ただ、このe-Palette導入には、単なる観光ツアーのツールという以上の大きな目的があるという。
秋吉台は、全体で約54㎢に及ぶ広大なカルスト台地だ。中央に流れる厚東川を境に、東側が自然の残る観光エリア。対して、西側では石灰石の採掘がいまも続く鉱山としての秋吉台だ。そして、美祢市の中心市街地はこの西側エリアの麓に広がっている。
美祢は、古くから鉱業で発展した町だ。明治半ばに大嶺炭田の開発がはじまり、大正以降は石灰石の採掘も本格化。これらを運ぶために建設されたのが、現在のJR美祢線である。全盛期には日本有数の貨物取扱量を誇る、物流の大動脈だった。




