日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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「伊藤体制」の金融庁が目指すもの
今夏の金融庁幹部人事では、去就が注目された伊藤豊長官(平成元年、旧大蔵省入省)が留任した。後任候補と目された石田晋也氏、堀本善雄氏(共に2年、同)も局長ポストに留まり、伊藤氏を中心に銀行と証券会社による業務やサービスを連携させる銀証連携などを通じた「資産運用立国」の深化を目指す。
幹部人事と合わせ、大規模な機構改革も実施された。従来の総合政策局と監督局を再編し「資産運用・保険監督局」と「銀行・証券監督局」を設置。所掌する分野がネット銀行や暗号資産業などに広がる中、肥大化する監督部門を整理する狙いがある。また総合政策局内に置かれていた官房部門は、新設される「次長」ポストの元に独立させ、他省庁における官房長役を次長が務めることに。不良債権退治に目を光らせる「強面の監督官庁」から「主要な政策官庁」に装いを改めんとする伊藤氏の意向が反映されたわけだ。
資産運用・保険監督局長に堀本氏、銀行・証券監督局長に石田氏がそれぞれ就いた。対外的な組織図を見れば、資・保局が筆頭局のように映るが、庁内では銀行と証券を扱う銀・証局を中核とみる意見も多い。
「オーソドックスなのは石田氏、いっとき民間企業に出た『回転ドア』経験者の堀本氏は今どきの人材だ」(金融庁幹部)
庁内では、のちのち両者ともに長官ポストに座るのでは、という声も上がる。
次長に就いた柳瀬護氏(4年、同)は財務省で為替市場課長を務めた経験を持つ。官房部門の責任者となったことで長官レースに名乗りを上げた。さらに下の年次では、新設ポストの監督総括審議官に岡田大(ひろし)氏(5年、同)が起用された。資・保局と銀・証局と連携して監督業務に当たる業界のお目付役で、こちらも長官の有力候補となる。
ここまでは伊藤氏の思惑通りに組織固めが進んだが、審議官ポストで予期せぬ煽りを受けた。前任次長だった一松(ひとつまつ)旬氏(7年、同)が急遽、東京税関長に転じた人事の玉突きで、旧総合政策局で2年間にわたり資産運用立国関連の制度設計に携わってきた八幡道典(はばみちのり)氏(6年、同)がにわかに古巣の財務省に復帰し主計局次長に就いた。〈続きでは、八幡氏の人事の背景について語られています〉
※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年11月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。

