美容整形業界を舞台に、「美しくなりたい」と切実に願う人々と、さまざまな思惑と過去を持つ医師たちを描く、Netflixオリジナルドラマ『ダウンタイム』。Netflixの日本での週間シリーズTOP10で2週連続1位を獲得したほか、グローバル週間TOP10の非英語番組部門でも2位に入るなど、国内外で話題を集めている(9月21日~9月27日集計)。

 カリスマ美容外科医・遠山凜を演じる仲里依紗とともに物語の中心を担うのが、天才形成外科医の沼田文(ふみ)を演じる松岡茉優だ。(全3回の1回目)

松岡茉優(2018年、東京国際映画祭のレッドカーペットで) ©時事通信社

ぶっきらぼうな「天才形成外科医」を演じる

 松岡が演じる文は、「天才」と呼ばれるほど医師としての腕は確かだが、とにかくぶっきらぼうで口が悪い。美容整形にも当初は否定的で、決して「感じのいい主人公」ではない。松岡自身、文について「思っていた以上に愛のある人」である一方、「愛せない側面もたくさん持っている人」と語っている。

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 善悪のどちらかにわかりやすく整理できない人間を、矛盾を残したまま成立させる。そこに松岡茉優という俳優の特徴がよく表れている。

 松岡の芝居は、人物の複雑な心情を細かくすくい上げる。激しく怒ったかと思えば、次の瞬間には不安や寂しさがのぞく。感情の振幅が大きな役であっても、それぞれの感情がばらばらにならず、一人の人間としてつながっている。抑えた演技でも、その表情から微妙な心の動きが伝わってくる。

 現在31歳にして、芸歴23年を数える松岡茉優とはいったい何者なのだろうか。

Netflixで配信中のドラマ『ダウンタイム』(NetflixのX〔@NetflixJP〕より)

東京生まれ、テレビが大好きだった少女

 1995年、東京生まれ。家族そろってのテレビ好きだった。小学生の頃は、家にテレビが5台あったというから、まさにテレビっ子一家。松岡も寝たふりをしてから夜中にこっそり起きて、深夜のテレビ番組を見ていたという。

 大好きだったのは『ココリコミラクルタイプ』、『スキヤキ!! ロンドンブーツ大作戦』などのバラエティー番組。なかでも『笑う犬』シリーズは「愛していた」と言うほど。『花より男子』などのドラマにも夢中になった。

 アニメも大好きで、中学生の頃は、片思いしていたアニメキャラが隣にいるところを妄想して心の中で会話をしていた。そのキャラが作品の中で死んだときは、熱を出して学校に1週間行けなくなったという。アニメキャラとの恋は、高校生になるタイミングで「この命を全うしたら天国で会おう」と決めて終わらせた(non-no web 2017年12月22日)。