配信直後から話題のドラマ『ダウンタイム』(Netflix)で仲里依紗とともに主演を務める、松岡茉優(31)。8歳で芸能界入りし、子役時代からのたしかなキャリアを持つものの、10代の頃はオーディションに落選する日々が続き、「(落選した回数は)500は超える」と明かしている。そんな彼女の“転機”は……。(全3回の2回目)

松岡茉優(写真:2018年「上海国際映画祭」) ©Imaginechina/時事通信フォト

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 同世代の若手女優たちが主役を掴んでスターダムに駆け上がっていく中、相変わらずオーディションに落ち続けていた松岡は焦りに焦っていた。

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 そんな中、オーディションへの向き合い方を変えることで、大好きだった伊坂幸太郎原作、中村義洋監督の映画『ポテチ』(2012年)の役を獲得する。合格の知らせを聞いたときは「信じられない」と号泣した。高校2年のときだった。

「同世代の方たちの活躍を見て、彼女にあって私にないものがあるように、彼女になくて私にあるものも絶対にある。今、人気のある子と同じことをしても意味がないし……何も作らず、それこそTシャツにジーパンで行ったりもしてました。そうやって、自分を素直に見せるようにしていたら、少しずつ受かるようになったんです」(Deview 2015年4月16日)。

 500回落ちた末にたどり着いたのは、誰かの真似をすることではなく、自分がどんな人か、何をどう感じる人なのかを見てもらうことだったのだ。

毎日が青春だった『桐島』

 続いて、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)への出演が決定する。オーディションは3カ月に及んだが、吉田大八監督は初期の段階から松岡の起用を決めていた。

 役は決まっておらず、松岡に合わせてどんどん脚本を変えていった結果、クラスの序列に敏感で、ステータスで彼氏や友人を選ぶ女子高生・沙奈という強烈なキャラクターが生まれた。「とことん、いいところがひとつもない子にしようと思った」という松岡は、沙奈の家族構成やクラスメイトとの関係を緻密に考えて演じていった。

神木隆之介主演の映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)。「第36回日本アカデミー賞」最優秀作品賞も受賞するなど高い評価を得た

 橋本愛、清水くるみ、山本美月ら同年代のキャストが揃った『桐島』の撮影を松岡は「毎日が青春だった」と振り返る。作品は高く評価され、松岡も映画ファンを中心に注目を集めるようになる。