ヒロインには選ばれなかったが…ブレイク作となった“朝ドラ”

 2013年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』にアイドルグループ「GMT47」のリーダー・入間しおり役で出演。ヒロイン・天野アキ役のオーディションを受けて落選していたが、「海はないけど夢はある」のキャッチフレーズで話題を集めた。本作が松岡にとってのブレイク作と言ってもいいだろう。

 『あまちゃん』人気が爆発したことで松岡も脚光を浴び、全国的な知名度を得た。GMT47として、この年の紅白歌合戦にも出演し、その後も多くの作品の出演につながっていく。

 しかし、街で他のメンバーや出演者が声をかけられる中、誰からも声をかけられずに「自分にはオーラがない」と落ち込むこともあったという。

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 2015年には二つの話題作に出演した。セクハラやパワハラがはびこる男性社会に女性たちが抗う『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)と、産婦人科を舞台にしたヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)だ。

演技をみて脚本を書き直した

 前者では家庭の問題から対人恐怖症になったシェフの雨木千佳、後者では明るくまっすぐな研修医の下屋加江を演じ、どちらも大きな話題を呼んだ。なお、『問題のあるレストラン』の脚本家・坂元裕二は、松岡の演技を見て脚本を書き直し、出番を大幅に増やしている。

 この二つの作品は松岡の内面の変化も促した。『問題のあるレストラン』については次のように語っている。

ドラマ『問題のあるレストラン』共演時の(左から)高畑充希、二階堂ふみと(松岡茉優のインスタグラム〔@mayu_matsuoka_koushiki〕より)

「放送中は『不登校だったけど、学校に行ってみようと思いました』『このドラマが楽しみで生きています』といったお手紙をいくつもいただいて。今も全部大切に取ってあります」(『リンネル』同前)

「俳優をやっていてよかった」と思える瞬間

『コウノドリ』でも同様のことが起こった。

「『コウノドリ』に出演してから、『助産師さんになりたいと思いました』とか、『産婦人科医を目指しています』と書いてあるお手紙をいただくんですけど、それが一番嬉しい。『俳優をやっていてよかった~』と思える瞬間です」(『FRaU』2019年11月8日)

(左から)星野源、綾野剛、松岡茉優、吉田羊(『コウノドリ』インスタグラム〔@kounodori_tbs〕より)

 演技が評価されるだけではなく、作品が誰かの現実の生活を動かすことがある。松岡はこの二つの作品で、その力を実感した。