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親分の口癖。それは…
地方には、そもそも争うような利権もないですし、極道の組織も都会ほど多くありません。基本的には地方の極道は、自分たちの縄張りを守って活動しています。
地方の極道は、一般市民を相手に無茶なことをやることはほとんどありません。地域住民とは顔なじみなので、おかしなことをすればその場所にいられなくなってしまうからです。
「堅気さんに迷惑をかけるな」
これは親分の口癖でした。
親分は堅気の人(極道ではない一般の人)たちとの関係をとても大切にしていました。冬に雪が積もれば、道行く人が不便だろうからと若い衆総出でスコップを担ぎ、事務所から近くの駅までの道を雪かきをしました。そんな親分を慕う堅気衆も多く、トラブルがあれば、その仲立ちをするなどいろいろな相談に乗っているようでした。
極道は、本来は仏法や特定の道を極めることを指す言葉だったようです。それが江戸時代以降、博徒や任侠(義理人情を重んじ、弱い者を助ける)に生きる者のことを言うようになりました。
僕から見る親分は、まさに義理人情を重んじ、弱い者を助ける極道でした。僕はそんな親分の姿にあこがれて、修業の日々を過ごしたのです。