フリーに転じる前年、34歳のときに週刊誌のグラビアに登場したときには、《幽霊も演じたし、妖怪も、殺し屋も。やったことがない役は何かなって考えていたら、意外なところで“お母さん”。次は、母親役を演じます》と、舞台『十二番目の天使』への出演を告知していた(『週刊文春』2019年3月7日号)。

 今年放送されたドラマ『エラー』(テレビ朝日系)でも母親役だった。このとき演じたのは、畑芽育演じる娘に冷たく当たる“毒親”というべき役どころで、最終回の放送後には、X(旧twitter)に《[毒親な千尋を決して肯定はできないけど複雑な気持ちは分からなくはない]と思えました》と投稿している(2026年6月7日)。

ドラマ『エラー』クランクアップ時(栗山千明のX〔@chiakikuriyama_〕より)

40歳を迎え、改めて示す“存在感”

 このように歳相応の役が増える一方で、40歳になった一昨年(2024年)公開の映画『八犬伝』では、江戸時代のファンタジー小説『南総里見八犬伝』を下敷きにしたパートで妖艶な怨霊・玉梓(たまずさ)という現実離れした役に久々に挑戦し、原点回帰を思わせた。

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 ここしばらく時代劇づいており、今年はNHKの単発ドラマ『銭形平次』で旅一座の座長を演じたのに続き、10月23日スタートの『真田十勇士』(テレビ朝日系)では淀殿を演じる。

栗山千明のX〔@chiakikuriyama_〕より

 こうして栗山千明の俳優としてのキャリアをたどってみると、意外にも波瀾が少なく、さまざまな作品で活躍するのと並行して、幅広い趣味によって個人としての生活も充実させてきたとわかる。それも強い欲を持たず、よい意味で消極的な姿勢を貫いてきたおかげだろう。生き馬の目を抜くような芸能界では珍しいが、それこそが栗山がいまなお存在感を示している最大の理由なのかもしれない。

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