数学教師から金融界に進出し、巨万の富を手にしたジェフリー・エプスタインが、各地で少女や若い女性をレイプし続けた史上最悪の性犯罪「エプスタイン事件」。この事件が世界的な注目を集めた大きな理由のひとつが、アメリカのドナルド・トランプ大統領が、事件に関わっていたかどうかだった。
トランプとエプスタインが古い友人であったことは周知の事実だが、トランプ自身はエプスタインの小児性愛とはまったく関わっていないと主張。一方で、11月の中間選挙を控えながら支持率低迷にあえぐ現状でも、エプスタイン・ファイルが全面公開にいたらない現状に、アメリカ社会では不審のまなざしを向けるものも多い。
こうした現地の視線の背景には、トランプ自身が重ねてきた過去の女性問題があるという。日本では知られていないトランプの女性トラブルの実態について、在米ライター・堂本かおる氏による『エプスタイン事件 世紀の暗黒スキャンダルの全貌』より、一部を抜粋して紹介する。
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こうした女性たちの中にはトランプに対して訴訟を起こした者もいたが、多くは示談や訴えの棄却、訴訟取り下げになっている。しかし、2019年にトランプを名誉毀損、続いて性的暴行で訴えた著名コラムニストのE・ジーン・キャロルは、長年の法廷闘争を経て彼に勝訴した。
「これは23年前、ドナルド・トランプが私を襲った時に着ていたものだ」
2019年6月24日・7月4日号で、ニューヨークマガジン誌はキャロルが黒いドレスコートを着、腕を組んで立つ姿を表紙に使い、大きな黒いフォントで「これは23年前、ドナルド・トランプがバーグドルフ・グッドマンの試着室で私を襲った時に着ていたものだ」と記した。
その中の誌面では23年前に起こったトランプからキャロルへの性加害の詳細が生々しく綴られている。その日、ニューヨークの高級デパート、バーグドルフ・グッドマンでキャロルとトランプが鉢合わせし、トランプはある女性へのプレゼントを見立てて欲しいとキャロルに頼んだ。
トランプはランジェリー売り場でキャロルに試着を勧め、キャロルはそれを冗談めかして断りながらも2人で試着室に向かった。そこでトランプの態度が一変し、キャロルはレイプされた。多くのレイプ被害者と同様、キャロルも警察に被害届を出すことはしなかった。
トランプの最初の大統領就任後、キャロルはこの事件を明るみに出すことを決め、2019年7月に『What Do We Need Men For? : A Modest Proposal(男性はなぜ必要なのか?:ささやかな提案)』を出版した。
トランプはすぐさま、「彼女は私のタイプではない」、訴えはキャロルが自著を売るためのでっち上げであり、「民主党がキャロルやニューヨークマガジンと結託している」と猛反発した。
トランプは以後も一貫してキャロルと「会ったことは一度もない」と繰り返しているが、1987年ごろ、あるパーティでキャロルと当時の夫、トランプと当時の妻イヴァナの4人が談笑している写真が残っている。トランプはこれを「覚えていない」としている。
