『ポリティカルパン』弥生のヘアメイクは自身で考案
――ふわふわのヘアスタイルも“ゆるっとした”撮影イメージにぴったりでした。ドラマ『ポリティカルパン』の主人公、如月弥生を演じるにあたってパーマをかけられたのでしょうか?
石原 そうなんです。弥生は、架空の国・ニッポニアを舞台に「政治の不透明な金」を狙って暗躍する大泥棒。これまでにない役どころで、ビジュアルでも大胆に挑戦したいなと思いました。私が今までのドラマでやっていない髪型って何だろう、と考えた時に(『ポリティカルパン』脚本家の)野木亜紀子さんが「ボブショートのパーマはどう?」と提案してくださったんです。
ただ、色々なお仕事の関係で、ばっさり切ることは難しくて。ロングのままでガラッとイメージを変えるなら、「ストレートで赤に染める」、それか「金髪もあり?」とあれこれ悩みました。ただ、弥生は政界に深く潜り込んでいくキャラクターなので、あまり攻めたビジュアルだと目立ちすぎてしまう。「泥棒としての奔放さ」と「政界になじむきちんと感」、相反する二面性をどうやって成立させようかなと。
最終的に、パーマを2回、かなりきつくかけたんです。『ポリティカルパン』に入る前は『リア王』の舞台に立っていたのですが、演じたゴネリルは黒髪のストレート。そこに1回パーマをしただけではこんなにふわふわにならなかったんですよね。なので、クランクイン直前に再度、もっと強くパーマをかけて。さらに前髪を厚くしたら「これは新しいね」というビジュアルに仕上がりました。
――とても目を引く髪型ですよね。
石原 髪を下ろしているとインパクトがあるけれど、結んで眼鏡を掛ければ、真面目な「政界モード」に擬態できる(笑)。いい落としどころが見つかりました。
――石原さんはメイクも役に合わせてご自身で考案されているとのこと。弥生からはハンサムな色気を感じます。今回のメイクポイントを教えていただけますか?
石原 ヘアメイクさんと一緒にかなり試行錯誤しましたね。1回目のパーマをかけた時点では、メイクはもうちょっと甘めに作っていたんです。でも、髪の毛がふわふわくるくるになったら、甘いメイクを合わせるとドールっぽくなってしまって。「あれ、弥生のイメージと違うな」と感じて、そこからは色々と引き算していきました。アイライナーの引き方、まつ毛の上げ方、それから眉毛の書き方やチークの位置に色合い……。様々なパーツや工程をレスして、ようやく今の弥生にたどり着きました。
――メイクは「引き算」がポイントとのことですが、アクセサリーは個性的なものをたくさん身に着けていますよね。
石原 おっしゃるとおり、「アクセサリーをしっかり着けているキャラクター」として弥生を形作っていきました。ネックレスに指輪、アンクレットといったワンパターンのアイテムを、第1話から最終話まで、ずっと身に着けたいと提案したんです。泥棒の時も政界に紛れ込んでいる時も変わらず。
アクセはすべてオーダーメイドで、ネックレスはシルバーの太いチェーンに、とても細いチェーンを重ね着けしています。アンクレットはシンプルで綺麗なデザインだけれど、指輪はゴリゴリに存在感がある。
――無骨と華奢の組み合わせがまた、弥生の二面性を感じさせます。
石原 まさに弥生を象徴するアイテムで、私にとっては“装備”ですね(笑)。現場に入ってアクセを身に着けると「はい、弥生、来ました!」と変身できる。

