『アンナチュラル』以来の野木脚本ドラマに「面白い、ものすごく」
――『ポリティカルパン』の脚本を担当される野木亜紀子さんとは、ドラマ『アンナチュラル』(2018年)でもタッグを組まれています。8年ぶりにがっつりと野木さんが紡いだ言葉に触れ、身体に通し、演じられるという体験はいかがですか?
石原 いや、面白い。(噛み締めるように)……面白いんですよ、ものすごく。『アンナチュラル』もそうでしたが、野木さんの描く物語は知識欲がとても刺激されるんです。そして、すべての台詞に血が通っている。ポンポン飛び交う会話劇が素晴らしくて、覚えるのが楽しくて仕方ありませんでした。誰の台詞かが脚本をパッと見ただけでも明確に分かりますし、回を重ねるごとにどんどん言いやすくなっていく。
――キャラクターがとても立っていて、台詞の背景にそれぞれの人生がちゃんと見えますよね。
石原 そうなんです。ちゃんと生きている台詞なんですよね。命が乗っかっている。それ以外ないな、と思うくらい。めちゃくちゃ長台詞もありますし、政治のディープな部分にも切り込んでいくので、覚えるのは「よっこいしょ!」となる時もあるんですが(笑)、楽しいんですよ。野木さんの台詞だから。ものすごいこだわりを感じるので、「一字一句変えないようにしよう」と決意しています。
――この魂が凝縮された台詞を、さらにまた濃厚なキャスト陣が演じるのも楽しみです。政治の金をめぐって、凄まじい「化かし合い」が展開されるのだろうなと。
石原 すごいメンバーですよね。(高橋)一生さんに(河合)優実ちゃん、渡部(篤郎)さんにきょんさん……。しかもみなさん、演じているキャラクターそのままで現場にいてくださるんです。普通に雑談しているだけなのに、『ポリティカルパン』の一場面のようで。
渡部さんなんて、すごく面白い方なんですよ。演じていらっしゃるのは、弥生に政界のネタを流す「情報屋」・乾。渡部さんとスルメをつまみつつ飲む場面があるんですけど、渡部さんの色んな昔話を聞きながら1時間くらい盛り上がっていたら、いつの間にかカメラが回っていて(笑)。
――シームレスに撮影に入っていたんですね。
石原 はい、すっごく楽しかったです(笑)。
――乾から情報を得た弥生は、大物政治家の娘・小早川雅に接触します。雅を演じられている河合優実さんとは初共演ですよね?
石原 共演自体は初めてですが、日本アカデミー賞の授賞式でご一緒したのと、私の舞台を観に来てくれたことがありました。きちんとお会いしたのはその2回だけですけど、私、優実ちゃんのことをすっごく好きになってしまって。
『ポリティカルパン』がまだ初期の初期……脚本も準備稿だった時、野木さんと北野(拓)プロデューサーに「私はきっと、彼女をさらにさらに好きになれます。なので、弥生と雅の関係性を『シスターフッド』としてやりたい。私は優実ちゃんを“相手役”と思って演じたい」とお伝えしました。お二人も「確かに、いいね。その方向で考えてみよう」とおっしゃってくださって。
――第1話の脚本を拝読した時、二人がこれからどうなっていくのか、ものすごく期待が高まりました。男だらけの政界に女性バディが風穴をあける、というのも胸が熱くなります。
石原 弥生と雅、めちゃめちゃいいですよね。第1話で弥生が「あなたを、盗んであげる」「あなたを縛る窮屈な箱の中から」と雅に語り掛ける場面ももちろん好きですし、今後もいいシーンが待っていますので、楽しみにしていてください。
――石原さんご自身も強く熱を込められているのが伝わってきます。
石原 ただ、第1話の撮影中、監督に「ちょっと弥生、雅のこと好きすぎる。もう少しおさえて!」と指摘されちゃいました(笑)。

