売主に問い合わせをした場合、何が起こるか?

 さて、チラシを手に取ったあなたはこの状況をどのように判断すればよいだろうか。問い合わせをすればまず確実に不動産屋(売主)からは、

「もう少し勉強しますよ」

 と言われるはずだ。良い物件であれば、不動産屋はチラシをバラまいたりしない。優良顧客に順番に電話して耳元で囁き、あっというまに売ってしまう。だから更なる値下げを聞いてぐらっとこないことだ。

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 さらに部屋内をモデルルームのように飾っていたら要注意。売れないので少しでも雰囲気を出そうとしてきれいな家具や豪華(そうにみえる)家電類で着飾っているのだ。これらを設えなければならないほど売れていないことの証だ。

写真はイメージ ©mapo/イメージマート

 そして彼らはあなたの耳元でこう呟くはず。

「家具、家電、カーテンよろしかったらお付けしますよ、タダで」

 それでもあなたが逡巡していると、今度は脅かしがあるはず。

「この物件、すでに数名が内見していてそのうちのおひとりがかなり興味を持っています。早めにご決断ください」

 そうであれば値引きを前面に出してくることはないので、あまり信用しない方が良い。さらに、

「金利はますます上がりますよ。今のうちに買わないと買えなくなりますよ」

 と迫ってくる。たしかに住宅ローン金利は上昇を続けている。固定金利で今のうちにと思うかもしれないが、35年固定金利型の住宅ローン金利はすでに4%水準に達している。金利変動は中長期的には上がり下がりするものなので、変動金利型を選んでもプラス2%程度の利上げリスクを考えればよいだけの話だ。金利の上昇よりも物件価格の下落のほうが買い手の負担は軽減されることに気づくべきだ。

どっしり構えて“ワニの口”が閉じる瞬間の見極めを

 今後もっと価格が下がることをこの業者(売主)は隠している。

「金利はますます上がりますよ。今のうちに買ってくれないと私たち潰れちゃうのです」

 これが彼らの心の声だ。

 自社で仕入れるために彼らは多額の借入金を調達している。金利が上がると経営は厳しくなる。利益として見込んでいた分を少しずつ削って何とか出口から逃げようとしているのが実態なのだ。

 こうなると買い手側はどっしりと構えていればよい。我慢ができなくなった業者の中から所有物件の投げ売りや倒産による物件放出が始まるのはこれから。今は売り希望価格がなんとか損を出したくなくてギリギリのラインで粘っていて、成約価格と大きな開きが生じている状態にある。これはワニの口と表現される。

 考えてみてほしい。ワニの口が閉じるのは上あごから閉じることに。マーケットはぎりぎりまで開いてしまった口が徐々に閉じ始めている状態にある。じっくりと口の閉じる瞬間を見極めるが吉である。