政策金利の引き上げが発表された。今年に入って中東情勢緊迫化の様子見で引き上げを見送ってきた日本銀行もようやく重い腰を上げ、インフレ、物価高対策へと政策の舵取りを鮮明にした。

写真はイメージ ©mapo/イメージマート

利上げでも止まらない円安、不動産市場への影響は?

 本来金利の引き上げは円買いにつながりやすいと言われてきた。これまで日銀が異常なまでにこだわり続けた低金利政策はコロナ禍が収束に向かう中で欧米諸国との金利差の拡大を招き、円キャリートレード(低金利の円を借りて海外株式や債券に投資する行動)の隆盛につながってきた。これに対して日銀は2024年7月のゼロ金利解除から2025年1月、12月、そして今回の利上げと4度にわたり毎回0.25%という小出しの引き上げを行ってきているが、為替相場への反応は小さく、円安の状況の抜本的な改善には至っていない。

 金利を上げても円安のままというこうした状況は、日本の不動産マーケットにどんな影響を与えているのだろうか。

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住宅ローン世帯を直撃する金利上昇

 政策金利の引き上げは金融機関の預金金利や貸出金利に影響を与える。貸出金利の指標となるものにプライムレートという金融機関が最優遇先に提示する金利がある。期間1年未満のものを短期プライムレート、1年以上のものを長期プライムレートと呼ぶが、政策金利の変動は短期プライムレートに連動するとされる。

 したがって今回の利上げは金融機関が用意する変動金利型住宅ローンに大きな影響を与えることになる。0.25%ずつとはいえ、この2年間で累計1%の政策金利引き上げは変動金利型住宅ローンを組んでマンションを購入した世帯の家計を直撃することになる。

 低金利をうたい文句に世帯年収で1500万円を超えるいわゆるパワーカップルで相当背伸びをして湾岸エリアなどのタワマンや高額マンションを購入しているケースが多い。特に目いっぱいのローンを組んでぎりぎりの資金調達計画を組んできた世帯ではこの累計1%の金利上昇はかなりの痛手となる。

 仮に1億円を35年返済の変動金利型住宅ローンで調達していた場合、累計1%の変動は月額返済で4万6000円程度、年間で55万円程度の支出増となってきているはずだ。加えて昨今はマンション管理費や修繕積立金の引き上げを行うマンションが相次いでいることから家計への負担はさらに増してくる。