「ハリウッドに女優はゼンデイヤしかいないの?」

 そんな声があちこちから聞こえるほど、2026年はゼンデイヤ一色の年だ。なぜ、これほど人気があるのか? そこにはいろいろな理由が重なっている。(寄稿:在米ライター・堂本かおる/全2回の1回目)

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 まずは4月、ロバート・パティンソンとW主演の映画『ドラマなふたり』が公開された(全米公開、以下同)。続いて7月に大型作品『オデュッセイア』と『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ(以下、BND)』が相次いで公開となり、共に世界的な大ヒットに。わけても『スパイダーマン:BND』の全世界興行収入25億ドル、米国での興行収入は9.5億ドルを超えて米国映画史上のトップに躍り出た。

2026年7月、映画『オデュッセイア』ニューヨークプレミアでのゼンデイヤ ©AFP=時事

 6月から7月にかけてゼンデイヤは2作のプロモーションのために世界各地を訪れていた。『オデュッセイア』のレッドカーペットではギリシャ神話や女神を思わせる豪奢なドレス、『スパイダーマン:BND』では蜘蛛や蜘蛛の巣にインスパイアされた斬新なデザインのドレスをいくつも披露し、ゼンデイヤが現在もっとも注目されるファッション・アイコンでもあることを世界に見せつけた。

 10月になるとゼンデイヤはパリに飛び、パリ・ファッションウィークのルイ・ヴィトンのショーに現れた。『オデュッセイア』のレッドカーペットで纏ったボリュームのある純白のレースのジャケットを、ここではデニムに合わせてカジュアルに着こなし、またもやメディアとファンの目を奪った。

 そして12月のホリデーシーズンには、これも大ヒット・シリーズの第3作目、『デューン 砂の惑星PART3』の公開が待ち構えている(日米同時12月18日公開)。

映画『スパイダーマン』シリーズのヒロイン役でスターダムに

 映画俳優としてゼンデイヤが広く認知されたのは、『スパイダーマン』シリーズ(2017~2026)のヒロイン、MJ(ミシェル・ジョーンズ・ワトソン)役だ。トム・ホランド演じるピーター・パーカーのクラスメート転じてガールフレンドとなる役だが、友だちの少ないぶっきらぼうな変わり者、ひねったユーモアを持ち、科学が得意な秀才で、実は繊細なティーンエイジャーとして演じている。

現在の『スパイダーマン』シリーズでヒロインのMJを演じている(映画公式X@SpiderManMovieより)

 このMJ像は、トビー・マグワイアが主役を務めた『スパイダーマン』3部作(2002~2007年)でキルスティン・ダンストが演じたMJ(メアリー・ジェーン・ワトソン)とは全く異なる。ダンストのMJはブロードウェイのスターを目指す、可憐で親切で優しく我慢強いフェミニンな少女だった。その初代MJからは想像もできない、Z世代の新たなMJをゼンデイヤは作り上げたのだった。