本名、家族は…
ゼンデイヤの本名はゼンデイヤ・マリー・ストーマー・コールマン。1996年9月1日にカリフォルニア州オークランドにて生まれている。母親クレア・ストーマーは白人、父親カゼンベ・アジャム・コールマンは黒人。共に元教師。「Zendaya」とは、アフリカのジンバブエやモザンビークで使われるショナ語の「tendai」(感謝する)に由来する。
ゼンデイヤには兄2人、姉3人がいるが、全員が父の連れ子であり、ゼンデイヤは白人である母親との間に生まれた唯一の子であり末っ子。両親は2016年に離婚しているが、父はゼンデイヤのマネージャーを務めており、ゼンデイヤは母親とも、5人のきょうだいとも非常に親密。さらに兄や姉たちには何人もの子どもがおり、ゼンデイヤは「たくさんの姪っ子や甥っ子」をとても可愛がっている。
ゼンデイヤは父親が黒人、母親が白人であることから「ライトスキン」と呼ばれる薄い肌の色を持つ。対して肌色の濃い黒人は「ダークスキン」と呼ばれる。そうした区分や特有の呼称があることが物語るように、黒人の中の肌色の濃淡は黒人にとって非常に繊細な問題であり、この事象は「カラリズム (colorism)」と呼ばれる。
「私は少し恵まれた立場にいる」
家族仲が良いながらもダークスキンである父親と兄や姉、白人の母親、ライトスキンの自分……こうした家庭環境に育ったゼンデイヤは、2016年にコスモポリタン誌のインタビューで以下の発言をおこなっている。
「残念ながら、肌の色が濃い姉や兄に比べると、私は少し恵まれた立場にいるのです」
「私が肌の色が濃い女性と同じ人種差別や苦難に直面してきたと言えるでしょうか? いいえ、言えません」
こうした生い立ちからか、ゼンデイヤはカラリズムを強く意識し、その改善を求めてきた。
「金髪碧眼」が美しいとされたかつてのハリウッド
映画やドラマの制作側にとっても黒人俳優、特に女優の肌色の濃淡はキャスティングを左右する重要なポイントとなる。アメリカにおける女性の美の基準は「金髪碧眼」であり、かつてハリウッド映画に登場するのはほぼ白人俳優のみだった。
時代の変遷と共に黒人や他の人種民族マイノリティも徐々に起用されるようになったものの、役の数、役柄など、まだ白人俳優と同じとは言えない。加えて伝統的な美の基準に今も引き摺られ、黒人であってもライトスキンの女優が使われる傾向が格段に強い。
それを端的に表しているのが、アカデミー賞の主演賞だ。過去98回のアカデミー賞において、黒人男優は『罪人たち』(2025年)によって受賞したマイケル・B・ジョーダン、他にデンゼル・ワシントン、ウィル・スミスなどを含めて計6人が主演男優賞を獲得しているが、いずれもライトスキンではない(ウィル・スミスはダークスキンとライトスキンの中間と言える)。だが、主演女優賞は2001年『チョコレート』によって受賞したハル・ベリーのみ。そのハル・ベリーは白人の母親と黒人の父親を持つライトスキンだ。

