東京駅からJRバス「房総なのはな」号に乗って房総半島の温泉へ。館山で“風の散歩道”を散策後に「洲の崎温泉」の海の風と湯を愉しむ。翌日は内房線で「房総鴨川温泉」に向かい、絶景の温泉とアワビの踊り焼きや千葉の郷土料理を味わいつくす。

洲の崎温泉・鴨川温泉 千葉で海と風を感じる旅

 なにも遠方に行くだけが旅じゃない――。

 今回は気軽に楽しめる首都圏の温泉の魅力を探ってみたい。

 東京駅からJRバスで千葉県館山へ。東京湾アクアラインを通り、1時間45分ほどで房総半島に着く。温泉のイメージがあまりない千葉県だが、実は絶景の温泉が楽しめるお勧めの地域だ。

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トンビが遊びに来る宿

 館山に着いて早々にこの日の宿、洲の崎温泉「ホテル洲の崎 風の抄」に入る。ロビーに立つと窓越しに空と海の冴えわたる青さが目に飛び込んできた。テラスに出ると、ゆったりとした海風を感じられる。その風に乗って、トンビがやってきた。かつてこの宿では、弱ったトンビの親子を助けたことがあって、それ以来トンビが遊びに来るのだという。見ていると、こちらまで優雅で自由な気分にさせられる。

 一息ついたら、館山最西端の白亜の「洲埼灯台」を眺めながら「風の散歩道」を散策。その後は、いよいよ宿の温泉へ。温泉は海沿いによくあるしょっぱい湯。じっくりと温まりながら、海の風を愉しんだ。テラスと温泉を行き来しながら、午後を過ごす。

洲の崎温泉「風の抄」の自然を感じる風呂。