ホストの面接を受けに行ったら「君は地下のほうのお店行こうか」
――華やかな世界に魅せられてしまったと。
ダンシング しかも、解き放たされた(笑)。野球一筋の後は、真面目に技術職を手につけようとしていた人間だったから、「こんなに楽しいことがあったのか」ってタガが外れちゃった。当然、大学にも行かなくなって、どんどん変な方向へ向かっていくんですけど、何を勘違いしたのかホストになろうと思って、ホストの面接を受けに行ったんです。そしたら、ホスト長が僕を見て、「君は地下のほうのお店行こうか」って。今とは違って、髪もフサフサだったんですけど、明らかに浮かない顔をしながら。
――地下行き(笑)。
ダンシング それで、地下にあるジャズハウス「酔いどれ伯爵」のウェイターに着任しました(笑)。しばらくして、店を盛り上げなきゃいけないということで、司会を入れようという話になったんです。だけど、司会を頼むとお金が高い。そこで、新入りだった僕に白羽の矢が立って……完全になすり付けられる形だったんですけど、「お前ちょっとこい。司会をやってみろ」と無茶振りされて。前述したように、僕は人見知りでしたから、「無理です!」と断ったんですけど、問答無用で司会をすることになり、演奏の合間に「皆さん、こんにちは」みたいなことをすることになっちゃって。
当然、うまくしゃべれないんですけど、たどたどしい素人のウケってあるじゃないですか? うまくできない僕を見て、お客さんが「何やってんだ、頑張れ!」みたいな掛け合いが起きて、ウケ始めるようになった。そうなると、僕も気持ちよくなってきて、「ウケるのっていいな」って。
それが、人前に出て笑いを取る快感を覚えた発端ですね。「しゃべりも日に日に上達してるじゃん」なんて言われると調子に乗っちゃってね。バカですよね。酔ったお客さんから「お笑い芸人なんて向いているんじゃない?」って言われたんですよ。そのときに初めて、「お笑い芸人」という選択肢があることに気が付いたんです。

