故・谷村新司さんの激しいものまねで知られるダンシング☆谷村さん。芸能事務所「ジンセイプロ」代表も務め、これまで数多くのそっくりさんを発掘・育成してきた。

 ミラクルひかるさんをはじめ、ものまねタレントの才能を見つけて世に送り出してきた一方、育てた人材が離れていく苦労も味わった。コロナ禍で所属タレントが大量に離脱したことをきっかけに、あらためて考えたのが、自分自身のやりたかったこと――。

 60歳でお笑い養成所「タイタンの学校」に入学したダンシングさんは、現在、新人芸人として再挑戦の最中にいる。「まだやりたいことがある」。飾らない口調に率直な思いがにじむ。その胸中とは。(全4回の3回目/最初から読む)

ADVERTISEMENT

ダンシング☆谷村さん ©細田忠/文藝春秋

◆◆◆

育成タレントが引き抜かれ大量離脱…取引先リストの持ち出しも

――発掘してきたタレントさんを育てるのに、どれくらいの時間がかかるものですか?

ダンシング 育てるのに、早い人で3か月、長くて1年。2年もかけちゃうと、「騙された」と思ってみんな逃げてしまうので、早めに育てないといけないんですよ。その上で一人前になるのには5年くらいかかります。その中で、テレビに出られるような花開く人は数人。育成していく投資額は、一人100万円~数百万円に及ぶので、僕の出演料などで賄っていくしかない。それだけに、先ほどお話しした引き抜きが起きるとショックなんですよ。

 今でこそ、ジンセイプロは15名が所属していますけど、数年前に大量離脱された過去があって。コロナ禍で仕事がなかったときに、一気に引き抜きに。現在、係争中なので詳細は伏せますけど、育ったタレントをごっそり引き抜かれるだけでなく、僕が26年間培ってきた取引先のリストまで持っていかれた。引き抜いていった会社は今も平気で営業をしているから、腹が立ってしゃーない!(笑)。そういう業界にあって、ミラクルひかるは恩義に厚いというか、ものまね界の光です。