故・谷村新司さんの激しいものまねで知られるダンシング☆谷村さん。芸能事務所「ジンセイプロ」代表も務め、芸歴40年を目前にしたベテランタレントだが、60歳でお笑い養成所「タイタンの学校」に入学。現在、新人芸人として再挑戦の最中にいる。

 ものまね芸人にとって、本人から「似ている」と言われるのはうれしいことだろう。だが、彼は「似てないと言われることが誉れ」だと笑う。

ダンシング☆谷村さん ©細田忠/文藝春秋

 実際に谷村新司さん、郷ひろみさんと対面したとき、何を思ったのか。正統派とはひと味違う、ダンシング☆谷村流の“ふざけ方”。邪道の本懐とはいかに。(全4回の4回目/最初から読む)

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「モノマネをさせていただいています」に谷村新司は…

――長年、谷村新司さんのものまねをし続けているわけですが、ご本人に会われたことはあるのですか?

谷村新司のものまねで舞台に立つダンシングさん(写真=本人提供)

ダンシング 谷村さんのものまねをし始めた頃に、あるイベントでお会いしたことがありました。会場はホテルニューオータニ。僕は営業で呼ばれていたのですが、やたらとみんながソワソワしていたんですよ。ステージに上がるときも、「早く終わってください」って言われて。どうしても気になっちゃって、「どうしたんですか?」って聞いたら、「いや、このあと本物の谷村さんが来られるんで」と。やべえな、ですよ。

 でも、こんな機会はもうないかもしれないと思ったから、「すいません。会うことはできないでしょうか?」と関係者の方に伝えたら、「本番前に20分あるから、そのときだったら」とOKをいただけて。急いでメイクを落として、緊張しながらあいさつへ行くと、びしっとスリーピースのジャケットを着た谷村さんがいました。「すいません。実は谷村新司さんのモノマネをさせていただいています。勝手にやらせていただいています。ダンシング☆谷村と申します」と伝えたら、イスから立ち上がって、「存じ上げております。キミか。素顔、違うね」って。

――いいシーンですね。

素顔のダンシングさん ©細田忠/文藝春秋

ダンシング もう公認をもらったんじゃないかって勝手に舞い上がっちゃって。調子こいて嫌われたらイヤだから、そのまま後ずさりして、「よろしくお願いします」って帰ろうとしたら、「キミ」って呼び止められたんです。振り返ると、「無茶しないでね」って(笑)。