“ものまね界の光”ミラクルひかるをスカウトした理由

――ダンシングさんが発掘されたんですよね?

ダンシング 僕の持論の一つにメイク力があるんです。そっくりさんとして成立させるには、自分一人でそのメイクができるかが大きい。彼女は、宇多田ヒカルさんに似せることはできたものの、仲間由紀恵さんのしゃべりと、元オセロの中島知子さんのしゃべり、その3つしかできなかった。ただ、美容師だったのでメイク力があった。そこで僕は、彼女のメイク力ありきで育てるようにしました。実際、いろんな人のメイクができるんですよ。そのセンスはすごかった。

取材中にダンシングさんも目の前でものまねメイクを披露してくれた ©細田忠/文藝春秋

――そもそもどうやってミラクルさんをスカウトしたんですか?

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ダンシング うちよりももう少し大きな事務所に電話して、オーディションを受けて落ちた人の書類や写真を見せてもらうことはできないか? と頼み込む方法しかなかった。その事務所に行って、実際にプロフィール写真や書類を見せてもらって、「気になる人がいたら、私から電話してあげるから」と言われて。こちらから何か直接コンタクトを取ることはできない条件の上で、(気になる)相手がジンセイプロに興味があった場合のみ会うことができるという感じです。

 ある小さい事務所で何人か見ていたら、田村梨果と書いてある履歴書があったんですよ。写真を見ると、洗濯機の横でポーズを取っている女性が写っていて、「なんだこれ」って。だけど、「宇多田ヒカルができる」と書いてあって、洗濯機の横でポーズを取るという気持ち悪さも相俟って引っかかった(笑)。「この人に会ってみたい」と。

――その人物こそミラクルひかるさんだったと。

ダンシング 当時は、ミラクルのほかに何人か育てていたんですけど、彼女はとにかく研究熱心だった。八重洲のビッグエコーの地下にライブハウスがあって、月曜日だけ借りてショーをしていたんです。第一興商と交渉してビッグエコーを控え室に……もっと言うとミーティングがあると称して、13時くらいから借りれるようにして、毎週カラオケで練習させる環境を作ってね。だけど、やっぱりビッグエコーに見つかって。「なんかやってない? 控室でしょ」って言われるんだけど、「すいません、大丈夫です。やってません」って誤魔化して(笑)。