「その名前を出してはいけない」――ガレージ内の車で遺体となって発見された29歳の女優セルマ・トッド。警察は「一酸化炭素中毒による事故死」と結論づけたものの、遺体には殴られたような打撲痕や不可解な傷が残されていた。
全米を揺るがせた怪事件の犯人と疑われた「4人の容疑者」とは――。鉄人社の新刊『知ったら最後、夜眠れなくなる 世界の未解決ミステリー68』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目)
◆◆◆
警察は「事故死」と断定
14日昼過ぎに、セルマはカフェの共同経営者で当時の愛人、ローランド・ウエスト(同50歳)のバンガローに姿を見せたという目撃証言があるが、詳細は不明。
その後、16時ごろに近くの薬局で、23時ごろに電話をかけている姿が目撃されている。
電話の相手は不明ながら、いずれも「りゅうとした身なりの男」と一緒にいたそうだ。
発見時、セルマはパーティのイブニングドレス姿のままだったが、足元はスリッパに履き替えていた。ガレージはカフェから約270段の階段を上った丘の上にあり、ローランドの別居中の妻で元女優のジュエル・カーメン(同38歳)が所有する建物の一部だった。
事件発覚後、ロサンゼルス警察と検死官による捜査が始まり、公式の検死審問で「パーティ帰りに酔って車を運転しようとし、閉め切ったガレージ内で意識を失ったことによる一酸化炭素中毒死」と結論づけられ、死亡時刻は12月16日未明とされた。
