話が話を呼ぶ展開で紅白出場へ
2017年には1990年代のJ-POPの名曲をカバーしたアルバム『かくしてわたしは、透明からはじめることにした』をリリース。その歌声にRADWIMPSの野田洋次郎が魅せられ、新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』(2019年)でRADが担当したサウンドトラックのうち「グランドエスケープ」と「祝祭」の2曲でボーカリストに起用されることへとつながった。映画が公開された2019年の暮れには、RADとともにNHKの紅白歌合戦への出場も果たしている。
「歌が得意」とプロフィールに書いてCMオーディションに合格した5歳のときから、歌うことはずっと好きだったとはいえ、自分がやることだとはまったく思っていなかった。《だから、まさか、シンガーとして活動するとは想像もしていませんでしたし、話が話を呼ぶ展開は自分自身でも驚きましたね》とは6年前のインタビューでの彼女の発言だ(『装苑』2020年9月号)。
夫・有元キイチとの出会いと共作
昨年(2025年)4月に結婚した1歳上の音楽家・有元キイチとの馴れ初めは、その3年前に歌手として楽曲提供を依頼したことにさかのぼる。
三浦は2ndアルバム『点描』(2022年)の制作に際し、楽曲を提供してもらうなら誰がいいだろうと考えていたところ、たまたま有元のソロワークから未リリースのデモ音源を聴かせてもらう機会があった。そのサウンドメイク(音作り)は、彼が参加するヒップホップグループODD Foot Works(オドフットワークス)でのアプローチとはまったく違っていて、彼女は惹かれるものがあり、一緒に仕事をしたいと声をかけたという。
制作に入る前に二人で話し合った上、できあがってきたのが「私は貴方」という曲だった。普段なら曲を提供されたとき、どうしてもキーの調整を必要とすることが出てきて、曲自体の印象が結構変わってしまうのだが、「私は貴方」は彼がつくってきたデモ音源そのままのオクターブ上で歌え、三浦に自然とハマったらしい。
歌詞も有元の地元の話だったりおばあちゃんの話だったり彼個人の話でありながら、《だけど、書き方が普遍的であるがゆえに、歌う人や聴く人のイメージや想像力を掻き立てる余白がいっぱいあるので、私の体で歌ってもハマったんだと思います》と彼女は語っている(「the fashion post」2026年8月19日配信)。
以来、有元は三浦のライブにもバンドメンバーとして参加するようになり、そのなかで彼女も曲作りにかかわるようになると、彼との共作も増えていった。有元の1stソロシングル「『0110』」(2023年)収録の「聞いてたの?」には彼女がボーカルで参加している。
