「命の危険があるかもしれない」コロナ禍での“転機”
俳優業では、20代半ばに転機があった。それまで、事務所から勧められるがままにオーディションを受けて役を得てきたのが、コロナ禍のとき《ともすると命の危険があるかもしれない現場に出向くとなって、誰かのせいにしないために自分が決めなくちゃいけないと思った》のを機に、仕事については事務所と相談しながらも最終的には自分で決めることにしたのだ(『悲劇喜劇』2026年3月号)。
ただ、三浦のなかでは「私はこうなりたい」といった夢やビジョンはいまだにあまりないらしい。かつては未来への熱量が低いのがコンプレックスだったともいう。《でも、やらされているわけじゃない。あくまで、自分の意志なんですよね。特別なモチベーションがなくても『続けてる』、これで十分だと、今は思えています》と彼女は5年前のインタビューで語っている(『装苑』2021年9月号)。
同時期には、これまでを顧みて《何者かになりたいというよりは、そのときどきで新しい人と出会って、考えて、自分が更新されていく。その繰り返しで、その時間を楽しんでいて、気づいたら、いまこうなっていた。(中略)そういう意味で、多分、人と出会い切ることはないから、飽きずに続けられるだろうと思っています》と述べていた(『ピクトアップ』2021年10月号)。彼女にとって人との出会いはやはり大きいようだ。
「私にとってやりたいことだということが大事」
さらに30歳を目前にして、《俳優一本でやっていこうと未来のことまで決めてしまうのではなくて、少なくとも今は目の前にあるこの仕事が、私にとってやりたいことだということが大事。今から新しくものごとを始めるのはとても大変かもしれませんが、別のことに興味が出てくる可能性もあると思う。それもありだと思います》と語っている(『悲劇喜劇』前掲号)。
自分でも思いがけず歌手活動を始めて才能を開花させた三浦だけに、本人が言うように、今後もし演じる以外のことに興味を抱き、新たな道を歩むとしたら、その対象は一体何なのか、それはそれで気になるところではある。それでもいまのところ出演作が途切れる気配はないし、彼女に俳優を続けてほしいという人は大勢いるだろう。
来年には、桐野夏生の小説をアメリカの名優ジョン・マルコヴィッチの演出により舞台化する『リアルワールド』に、富田望生、川床明日香、影山優佳とともに高校生役で出演が決まっている。
女子高生4人組という設定からは、かつて彼女が出演した映画『私たちのハァハァ』(2015年)を思い起こさせるが、まったくの別物になることは間違いない。いずれにせよ、今後も三浦をこうした挑戦的な作品に出したいと思う人がいるかぎり、彼女もきっと俳優業に飽きることはないはずだ。

