若くして女流棋士になったほうが将来性があると期待されるけれど

――持ち時間5時間で女流棋士枠がそれぞれ4つある竜王戦や王座戦に出られるといいですね。さて、女流棋士になって年々成績が向上しているようですが、ご自分ではどう思っているのでしょうか。

宮澤 デビューした2023年度は勝率5割ちょっとでしたから、成績が良くなっているとは思います。昨年女流名人リーグ入りして対局数を増やすことができました、最後勝てばプレーオフという対局を落としてしまい、残留してリーグ2期目です。

――今期も女流名人リーグでは挑戦者争いをしています。他棋戦でもよく勝って2026年度の勝率は7割超え。対局数も増えています。

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宮澤 昨年は多くて月に4回でした。倉敷藤花戦の挑戦を決めた今年9月は初めて月に6回指しました。正直、対局が週に1回を超えると大変だなと思ったのですが、棋戦によく出ている西山女流四冠、福間女流四冠はもっと指しているはず。私も上を目指していくからには、それくらいの対局数に慣れなくてはいけないと思います。

――2026年4~9月の半年で宮澤先生が25局、西山女流四冠が31局、福間女流四冠が32局です。お2人より少ないですが、女流棋士としてはかなり対局数が多いかと。キャリア3年でタイトル挑戦は順調ですが、早く女流棋士になっていたらもっと早くタイトル戦だったという気持ちはありませんか。

宮澤 それはまったくないです。棋士も女流棋士も、若くしてなったほうが将来性があると期待されます。でも、私は大学卒業のめどが立ったタイミングで女流棋士になったから将棋に集中できた。心から将棋を仕事にできて幸せ、上を目指して勉強したいと思えました。

中央大学の卒業式で。袴はレンタルしたそう(写真提供 宮澤春彦さん)

――大人になって、この道で努力しようと思えるタイミングで女流棋士になれたということですね。女流棋士の場合、最近活躍中の磯谷祐維女流二段も中学生~高校生で女流棋士になれたところを20歳でなっていて、若くしてなることがタイトルへの近道と限らないかもしれません。磯谷女流二段は1学年下で、アマチュア時代もよく対局したのではないでしょうか。

中3のときの中学生選抜全国大会女子の部で。左から優勝・宮澤紗希女流二段、準優勝・野原未蘭女流二段、3位・礒谷真帆女流二段、4位・磯谷祐維女流二段(写真提供 宮澤春彦さん)

宮澤 私は女流アマ名人戦で優勝したかったのですが、磯谷さんに負けて実現しませんでした。磯谷さんは女流アマ名人戦で2連覇していて強かったです。今は直接対局する機会には勝ちたいですが、関係ないところではむしろ活躍してほしい。磯谷さんはプロになってからも本当に強いと思うので。