今年4月、乳がんを公表した元SKE48の矢方美紀さん(26)。「#乳がんダイアリー」(NHK)では「むくみがやばい」「ウィッグが暑すぎる」などと経過をオープンにして、前向きに治療に取り組む姿が多くの人々の共感を呼んでいます。約5カ月前に「文春オンライン」がお話を伺った時は、これから始まる抗がん剤治療への不安や乳房全摘出への思いなどを、率直に語ってくれた矢方さんでしたが、今回は改めて、治療のリアルな現実と、それにどう立ち向かってきたかについて聞きました。
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副作用は「自分が思っていた以上にきつかった」
──前回、矢方さんにお話をお聞きしたのは、抗がん剤治療が始まる直前でした。
矢方 そうでしたね。5月末に抗がん剤治療が始まって、9月末に10クール目が終わりました。最初はどういう症状がでるかわからないので、1泊2日の入院で抗がん剤の点滴をしたのですが、点滴を受けたあと1時間くらいしてから徐々に吐き気がひどくなりました。立ち上がることもできないくらいの倦怠感と吐き気が8時間も続いて、「これが副作用なんだな」と思いました。
──8時間も……。大変でしたね。
矢方 人によって症状が違うと聞きましたが、私は特にひどかったみたいです。看護師さんが心配して、夜中に何度も様子を見に来てくれました。朝になってやっと症状が治まり、なんとか家に帰れたんですけど、そのあと2〜3日はずっと家でぐったりしていました。
──それは1回目だけですか、それ以降も?
矢方 2回目は日帰りで、母に付き添ってもらったんですけど、家に帰る前から具合が悪くなり、その後4日間くらいは家で寝たきりになっていました。1回目の治療から2週間後の頃で脱毛も始まっていたので、抗がん剤治療は本当にしんどいなと思って、家で結構泣いていました。手術の時も泣かなかったのに……。
──病院の先生から聞いていた副作用とは違いましたか?
矢方 副作用の説明もお聞きして、だいたい想像はしていたんですが、自分が思っていた以上にきつかったですね。吐き気が強くてご飯も食べられないし、水も受けつけなくて……。体力をつけるためにむりやり食べるんですけど、味覚も変化していたので、おいしくない。体重が減ってしまって、ずっとこんな状態が続くのかと怖くなりました。