「私の実家は、代々木八幡宮というお宮で、そこは、縄文時代の竪穴式の住居がみつかるほど昔からある場所。それに渋谷区ができたのは、私の生まれた年。ですから渋谷区と私は、以前からとても縁が深いんです」
累計1600万部の大ベストセラー「御宿かわせみ」をはじめ、数々の人気小説を書き続ける平岩弓枝さん。一昨年には、文化勲章を受章。それを機に、渋谷区の郷土の作家として、その軌跡を辿る「作家・平岩弓枝展」が、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館で開催されている。
「かわせみ」のファン投票では常に上位に入る人気短編「白萩屋敷の月」など今回初公開となる生原稿。人気ドラマ「ありがとう」の出演者たちの色紙や、ドラマ脚本。そして文化勲章の賞状や、宮中参内の際に着用した着物。師・長谷川伸をはじめ、名だたる作家たちとの貴重な写真、「かわせみ」の名コンビ・挿絵家の蓬田やすひろ氏の原画など、デビュー当時から今までの足跡に触れることができる。
「以前、自宅の庭に仕事場を構えていたのですが、仕事場を母屋に移してからは、そちらは長らく資料置場として使っていました。そこがずいぶんといたんで取り壊すことになったところ、渋谷区から今回のお話をいただきました。私も、今回思いがけないものが見つかり、今から展示を見に行くのが楽しみなんです」
INFORMATION
「作家・平岩弓枝展」
白根記念渋谷区郷土博物館・文学館で、2019年1月20日(日)まで開催中。入場料100円