「Mr.サンデー」で大反響を呼んだドキュメンタリーが映画になった。
名物テレビディレクターの信友直子さんが、離れて暮らす87歳の認知症の母と耳の遠い95歳の父の姿を記録した『ぼけますから、よろしくお願いします。』が11月3日から公開される。
2001年から両親をビデオカメラで撮り始めた信友さんが母の異変に気付いたのは5年前。人一倍気丈で明るく、働き者だった母が認知症と診断され、「家事をしているところなど見たことがなかった」父は、95歳にして初めてりんごの皮を剥く。
不安で混乱をきたし、落ち着きを取り戻した後、「だんだんわからんようになってくる」と呟く母の姿に、泣きながらカメラを回したこともある。
「認知症の人は何もわかっていないと思われがちですが、実は本人が一番傷ついているんです。でも、ぼけた母と耳の遠い父が繰り広げる会話には、時には笑ってしまうこともあります。母が認知症になったことで、一番よかったのは父と仲良くなれたこと。仕事人間の父とはほとんど話したことがなかったのですが、『案外イイ男だな』と気づけました(笑)」
INFORMATION
『ぼけますから、よろしくお願いします。』
11月3日(土)~ ポレポレ東中野ほか全国順次公開
http://www.bokemasu.com/